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りんぐすらいど

ロードレース関連の記事が中心。https://twitter.com/SuzuTamaki

E3・ハレルベーク2017

フランダースクラシック2017

晴天の下、開幕した206.1kmの旅路は、いくつかの小さなクラッシュと共に始まった。

その中でいきなりのリタイアを余儀なくされた選手の1人が、トニー・ギャロパン(ロット・ソウダル)であった。

 

それゆえに最初に形成された6人の逃げは、問題なく4分以上のタイム差を作ることができたようだ。アレクシー・グジャール(AG2R)、ローレンス・デブリース(アスタナ)、ダヴィド・ペル(バーレーンメリダ)、ヒース・ファンフッケ(ロットNLユンボ)、タコ・ファンデルホールン(ルームポット)、クリストフ・マッソン(WBヴェランクラシック)の6人である。

逃げ巧者グジャールを先頭に走る6人。グジャールはこういった経験をもとに、やがてクラシックでの勝利を得るところまで成長してほしいものだ。

 

 

後続からはドリース・デボント(ヴェランダスウィレムス)とトム・ヴァンアスブロック(キャノンデールドラパック)、そしてミカエル・ドゥラージュ(FDJ)が追走を仕掛けるも、これは先頭に追い付くことなく宙に浮いてしまう。

 

残り75km地点でオリヴィエ・ルガック(FDJ)がアタック。

しかしその直後の勝負所「タイエンベルク」にて大本命トム・ボーネン(クイックステップ・フロアーズ)がアタックを仕掛ける。

これに喰らいついたのがBMCレーシングのダニエル・オス

さらにフィリップ・ジルベール(クイックステップ・フロアーズ)がカウンターアタックを仕掛けるも、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(BMC)、オリバー・ナーセン(AG2R)、ルーカス・ポストルベルガー(ボーラ・ハンスグローエ)がこれに喰らいつき、彼らは残り66km地点で芋掘りをしていたヴァンアスブロックらに合流する。

 

そして、これも優勝候補の1人であるセップ・ヴァンマルク(キャノンデールドラパック)が、先日のドワルスドール・フラーンデレンでもよい走りを見せていたルーク・ダーブリッジ(オリカ・スコット)と共にブリッジを仕掛け、ジルベールらに追い付く。ヴァンアスブロックはエースのヴァンマルクをサポートしたのちに、「エイケンベルク」の登りでデボント、ドゥラージュと共に脱落していった。

 

そして残り59km地点で先頭集団に追い付き、12名の小集団となった。

このときすでに、後続集団との間には48秒のタイム差がついていた。

 

 

この後続集団に取り残されたのが、最大の優勝候補であったペテル・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)。

彼は何度かブリッジのためのアタックを仕掛けるが、誰も彼に協力をしない状況の中、何度も集団に引き戻されてしまう。

そうこうしているうちに、残り42km地点で、彼は落車に巻き込まれてしまう。すぐさま集団に復帰しようとするも、トラブルに見舞われた自転車は言うことを聞いてくれず、このとき彼のレースは終わりを告げた。

 

 

12名の先頭集団からは、ジルベールが積極的なペースアップを図ったことにより、最初の逃げのメンバーが次々と脱落していってしまう。唯一残ったのがデブリースである。

 

そして残り40kmを切ったところで訪れる「オウデ・クワレモント」にてナーセンがアタック。これについていけたのはジルベールとヴァンアーヴェルマートというクラシックにおける2大巨頭だけであった。

ファンマルクとダーブリッジ、ポストルベルガー、デブリースの4人は引き離されてしまい、その後この4人が先頭3人に合流することはなかった。

オウデ・クワレモントで仕掛けたナーセン。ついて来られたのは最強の2人だけだった。

 

 

オリバー・ナーセン。

1990年生まれのこのフランドル人は、昨年はじめてワールドツアーランクのチームに所属し、初年度からツール完走、エネコ・ツアー総合2位と活躍してみせた。

所属チームが解散し、第2のワールドツアーチームとして選んだのがAG2R・ラモンディアル。総合に力を注ぎ過ぎたせいで勝利数を稼げずに終わったフランスチームが、クラシックのエース格に、とベテランのヴァンデンベルフと共に獲得した。

しかし、特段クラシックでの実績があったわけではない。クラス2時代のオンループで3位、ル・サミンで10位といった程度だ。

そんな彼が、このE3で、最強の2人を引き連れて最終盤に突入しようとしていた。

 

残り20km地点の「ティーヘムベルク」でジルベールはナーセンを引き離そうとペースアップを試みる。しかし彼は決して引き千切られることはなく、執念で2人に食らいつき続けた。それゆえに追い付いてからなかなか前に出られず、2人に怖い顔で睨まれたりもしたけれど。

 

 

そして3人はフラム・ルージュを通過。

すでに、後方とのタイム差は2分以上に開いていた。

 

だから最後の直線で先頭を走るジルベールは、ことさらゆっくりと、後方を確認しながらペダルを回した。

背中にぴったりと貼りついているのがヴァンアーヴェルマート。いつもの体勢であり、ここで飛び出せば彼に差し切られてしまう、とジルベールはわかっていた。

だから彼は、飛び出したくとも飛び出さない状況であった。

 

そんな均衡を打ち破ったのがナーセンであった。

最も若く、最も経験のない26歳が、その余りある勇気でもって開始したスプリントは、意外なほどに力強く、一瞬、そのまま先頭でゴールラインを通過するのではないか、と我々に予感させた。

 

しかし、やはりオリンピック金メダリストのスプリントは一流だった。

結果としてヴァンアーヴェルマートは、軽々とナーセンを抜き去ったのだ。

しかし、遅れて飛び出したジルベールもまた、ほぼヴァンアーヴェルマートに並ぶくらいにまで迫り込んだ。

結果として、4分の1ホイール差で、ヴァンアーヴェルマートが勝利を決めた。

今年、オンループ・ヘットニウスブラッドに次ぐ、クラシック2勝目である。

咆哮と共にゴールに飛び込んだヴァンアーヴェルマート。後方では、ナーセンが祝福の拍手。しかし真に拍手を捧げたいのは彼の走りであった。

 

 

3人のゴールから40秒後、ゴールに飛び込んできたのがルーク・ダーブリッジとルーカス・ポストルベルガーであった。

ダーブリッジは先日のドワルスドール・フラーンデレンでも4位、今回も4位と、素晴らしい結果を残している。

まだ25歳。これからの活躍に期待だ。

 

またポストルベルガーも同じく25歳。プロコンチネンタルチーム時代のボーラからの叩き上げで、元オーストリアロードチャンピオン。サガンを失いながらもチームに5位という成績をもたらし、今後もクラシックにおけるトップメンバーの1人として活躍しそうだ。

ファンマルクやデブリースといったクラシック巧者たちを置き去りにし、将来有望な若手2人が追走劇を繰り広げた。

 

 

着順は以下の通り。

 

 


E3 Harelbeke 2017 - Final Kilometers / Cycling Videos 2017

E3・ハレルベーク2017 注目チーム・選手たち

フランダースクラシック2017

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ベルギー、フランデレン地域で開催されるワールドツアーレース。

昨年まではベルギーにおけるシーズン最初のワールドツアーレースとして、「北のクラシック」シーズンの開幕を告げる注目度の高いレースであった。

また、2日後には同じくワールドツアーのフランドルクラシック「ヘント~ウェヴェルヘム」を控えており、最終的に9日後の「ロンド・ファン・フラーンデレン」に向けて、各クラシックスペシャリストたちが足の具合を確かめ合っていく。

 

今回はスタート直前となったこのE3における、各チーム注目選手を簡単に確認していきたい。

 

 

ボーラ・ハンスグローエ

今回は昨年優勝者クフャトコフスキが欠場するため、昨年2位のペテル・サガンがゼッケン1を着ける。2014年の覇者でもある。

昨年は終盤でアタックを決めながら、最後のスプリントで力尽きクフャトコフスキに敗れたサガン。しかし直後のヘント~ウェヴェルヘムでは見事リベンジを果たした。

今回は既にミラノ~サンレモで似たような結果を経験しており、ということは今年はこちらで優勝が来るか⁉

いずれにしても、ロンド連覇、あるいはパリ~ルーベ制覇に向け、調子を上げていきたいサガンが絶対エースとして優勝を狙う。

エリック・バシュカマチェイ・ボドナールアレクセイ・サラモティンスなどの実力者も揃っている。

 

クイックステップ・フロアーズ

今年パリ~ルーベでの引退を決めているトム・ボーネンがエースナンバーを着ける。もちろんただの引退ではなく、前人未到のルーベ5勝を果たしての引退を望んでいる。その前哨戦としてのE3は外せない。何しろ前回ルーベ優勝の2012年も、このE3の優勝から伝説の2週間を過ごしたのだから。

2日前のDDVでも活躍したフィリップ・ジルベールのほか、ゼネック・スティバールニキ・テルプストラなど、それぞれが優勝を狙えるタレントを揃え様々な動き方のできるチームだ。

 

ロット・ソウダル

期待されながらも今年、なかなか勝ちを取り切れないティシュ・ベノートがエースナンバーをつける。クールネ4位、ストラーデ・ビアンケ8位、DDV7位。E3は昨年7位。

DDV4位のジャスパー・デブイストのほか、イェーレ・ワライスニコラス・マースなど過去のクラシック上位入賞者も揃う。

 

BMCレーシングチーム

もはやシルバーコレクターは脱却したか、グレッグ・ヴァンアヴェルマート、今年もすでにオンループ連覇。ストラーデ・ビアンケでは2位だったが余裕はある様子。そろそろモニュメント勝利も狙いたい。だからロンド、そしてパリ~ルーベが本命か。

ドワルスドール・ヴェストフラーンデレン2位のルヴァン・ディリエの走りにも密かに注目。クラシックベテランのマルティン・エルミガーのアシストも頼りになるだろう。

 

チーム・スカイ

前年覇者クフャトコフスキ、前々年覇者ゲラント・トーマスは出場しないが、ルーク・ロウイアン・スタナードなどの実力者は十分に揃っている。3年連続の勝利なるか。

個人的にはジャンニ・モズコンに注目したい。3月初頭のクラシックでのアシストは見事なものだった。

 

AG2R・ラモンディアル

エースナンバーはステイン・ファンデンベルフクイックステップの「北のクラシック」精鋭軍団から移籍を果たす。E3もロンドも4位まで上り詰めた。今年は表彰台に立てるか。

まだ24歳のアレクシー・グジャールにも注目。昨年はイマイチな結果に終わった彼だが、U23版パリ~ルーベでは2位にも入っている。

 

アスタナ・プロチーム

エースナンバーはローレンス・デブリースが着けるが、オスカル・ガットマッティ・ブレシェルでも上位を狙えるかも。

そして一番注目が23歳のトゥルルス・コルサエフ。ストラーデ・ビアンケでもいい走りを見せていた。今後の躍進のためにも、しっかりと経験を積み重ねていきたい。

なかなか今期勝利が掴めずにいるアスタナ。そろそろ、そろそろとは思うものの・・・まだ勝つには厳しいか。

 

キャノンデールドラパック・プロサイクリングチーム

今年こそ勝利がほしいセップ・ヴァンマルクトム・ヴァンアスブロックディラン・ファンバールなども揃い、チーム全体としてもクラシックに向ける本気度は高まってきている。優勝候補の1つ。

 

オリカ・スコット

エースナンバーを着けるイェンス・ケウケレールももちろん注目だが、先日のDDVでよい走りを見せたルーク・ダーブリッジが今回どれだけ走れるかに期待だ。

 

ディメンション・データ

ボアッソンハーゲンはもちろん勝利を目指す。また、ボーラからの移籍組スコット・スウェイツも、今シーズンのクラシックでよい走りを見せているため、今回のレースでも注目したい。

 

カチューシャ・アルペシン

アレクサンダー・クリストフにとって、今年最大の目標は母国開催の世界選手権に違いない。しかしクラシックでの栄光も忘れられないに違いない。今年はとくに、昨年石畳で大活躍したトニー・マルティンがアシストしてくれるのだ。

 

チーム・ロットNLユンボ

勝利を与えられないままヴァンマルクが移籍。代わってアスタナから戻ってきてくれたのがシクロクロス覇者ラルス・ボーム。よってチームの今年の目標も変わらずクラシック制覇。ドワルスドール・ヴェストフラーンデレンを優勝し、ティレーノ~アドリアティコのITTでも驚きの走りを見せたヨス・ファンエムデンにも注目だ。

 

チーム・サンウェブ

エースナンバーを着けるセーアンクラーウ・アナスンはまだ22歳。ツアー・オブ・オマーンの山岳ステージ勝利で注目を浴びたが、興味は北のクラシックに向いているらしい。まだ実績がないため、まずは経験を積むこと。

メンバーで最も実績があるのはベルト・デバッケル。ジョン・デゲンコルブの右腕であったが、今年デゲンコルブが離脱したことで、実質的な北のクラシックエースを担うか? こういう選手の活躍が見たい。

また、マイク・テウニッセンも、まだ24歳と若いがU23版パリ~ルーベの覇者であり、シクロクロス適性もある注目の選手だ。

 

トレック・セガフレード

新加入のジョン・デゲンコルブもいるが、エースナンバーを着けるのはたたき上げのジャスパー・ストゥイヴェン。昨年はクールネ優勝、E3で5位。ジュニア時代にルーベも制している。ベルギー自転車界の期待の星である。デゲンコルブと一緒にやってきたクーン・デコルトや、自身も上位を狙えるファビオ・フェリーネなどのアシストも頼れる。

 

ヴェランダスウィレムス・クレラン

今年プロコンチネンタルに昇格。北のクラシックで勝利を目指す。そのための柱となるのがエースナンバーをつけるスティン・デヴォルデル。フランドルを制したのはすでに10年近く前だが、昨年もロンドでカンチェラーラを支えた。まだ勝利を諦めるつもりはないだろう。

 

ワンティ・グループゴベール

クイックステップで6年間を過ごしたギョーム・ヴァンケイスブルクが満を持してエースを担う。ル・サミンでまずは1勝。その存在感をどれだけ示していけるか。

 

ディレクトエネルジー

今年38歳になるシルヴァン・シャヴァネルがエースナンバーを着る。シクロクロスも走っているようで、上位に入ることが期待される。

また、実績で言えばアレクサンドル・ピショの走りにも注目したい。

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ第5ステージ プレビュー ティージェイ・ヴァンガーデレンは総合首位の座を守れるか

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2017

いよいよカタルーニャ1周のクイーンステージに到達する。

トルトサ郊外に位置する「ロポルト」山頂ゴール。

標高は1000mと大したほどではないが、標高25m地点から一気に登るため、獲得標高は大きい。

登坂距離20km超えのため、平均勾配は5%程度だが、ラスト6km地点1km地点に10%を超えるゾーンが存在するため、この辺りで勝負が仕掛けられる可能性が高いだろう。

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現状の総合成績は以下の通りである。

現状ではヴァンガーデレンの圧倒的優位。

しかし、彼個人の力というよりは、チームタイムトライアルの結果、それも、モヴィスタ―がルール違反を指摘されて失ったタイム差によるもの、という点で、このまま勝利してもヴァンガーデレンとしてはあまりすっきりしないだろう。

(なお、ヴァンガーデレンも第4ステージでヘルメットを取るというルール違反を指摘されており、どうなるかわからない混沌とした状況ではある・・・)

 

そして、ここ近年、難関山岳ステージでは常に遅れる傾向にあるヴァンガーデレンが、今回のロポルトの登りで大きく遅れないとも限らない。

ティレーノ~アドリアティコのテルミニッロの登り(登坂距離16.1km、獲得標高1175m)では2分19秒の遅れを喫している。

 

 

よって、いくら優位な状況とはいえ、指を咥えて見ていられるほどヴァンガーデレンにとって安泰な状況とは言えない。

 

ここは、彼にとって、試練の1日である。

 

 

なにも、暗い話ばかりではない。

過去のカタルーニャにおいて、ヴァンガーデレンとクイーンステージとの相性は決して悪くないのである。

 

2014年の第4ステージ、標高2200mの超級山岳バルテル2000の山頂フィニッシュでは、ヴァンガーデレンが優勝を果たしている。

2015年の第4ステージ、ラ・モリーナ山頂フィニッシュでも彼が優勝。

不調の始まった2016年ですら、第5ステージ、標高1975mの超級山岳ポルトアイネで、総合優勝のキンタナから28秒遅れ、総合2位のコンタドールからは13秒遅れでゴールしている。

2015年のカタルーニャ第4ステージで勝利するヴァンガーデレン。この年のツールでは、ヴァンガーデレン旋風を巻き起こした。 

 

そして今年も、得意としているラ・モリーナ山頂ゴール(第3ステージ)で、優勝者バルベルデからは3秒遅れの集団内でゴール。

得意のラ・モリーナステージでは、勝利こそなかったもののしっかりとタイムを守り切った。ティレーノやアブダビのときとは違った姿を見せることができている。

 

積極的な攻撃を仕掛け、区間優勝を狙いに行く、というのは難しいかもしれないが、それでも40秒を守り切り、総合リーダージャージを手放さないように耐え抜く、というのは十分に可能であろう。

 

 

 

 

そしてだからこそ、この40秒の壁の突破を狙って、多くの強豪ライダーたちが積極的に攻撃を仕掛けてくるはずだ。

 

まずは大本命アレハンドロ・バルベルデ

ラ・モリーナ山頂ゴールでも最後、ダン・マーティンを差して今期3勝目を挙げている。絶好調である。

とはいえ、彼は山で大差をつけて勝利する、というイメージはあまりない。明日の第6ステージと合わせて、という可能性も十分にはあるが、今日だけで40秒の壁を突破するのは難しいのではないか。

 

まず間違いなく攻撃を仕掛けてくるのがアルベルト・コンタドール

チームメートで頼れる山岳アシストであるモレマ、パンタノもトップ10に入っており、彼らも使った攻撃を終始展開してくるのではないか。

そして残り6km地点の急勾配区間などからアタック。すべてのライダーがこれについていけなくなる、というのは考えづらいが、このペースアップに、果たしてヴァンガーデレンが耐え抜けるかどうか。

 

そして、そういったコンタドールの攻撃に乗じる形で最も得をしそうなのがクリス・フルームおよびゲラント・トーマスといったスカイの面々である。

もしコンタドールの攻撃でヴァンガーデレンが遅れてしまった場合、コンタドールよりも総合上位につけているこの2人にとって最大のチャンスが訪れる。

あとはラストでちょい差しを狙うであろうバルベルデをどう倒すかの戦略となる。

フルームがおとりとなってアタックを繰り出し、カウンターでトーマスが発射する、というパターンが一番ありそうだ。

 

その他、ステージ優勝が欲しいダン・マーティンロマン・バルデアダム・イェーツなどが積極的な動きを見せてくるだろう。

 

ヴァンガーデレンはこれらの攻撃にしっかりと耐え抜かなければならない。

40秒、それは果てしなく高い壁のようにも見えるし、すぐに崩れ去る砂上の楼閣のようにも思える。

 

 

 

 

個人的には、ヴァンガーデレンに勝利してもらいたい。

いまだに、2年前、ツール・ド・フランスで総合2位につけながら、バイクを降りざるをえなかった彼の姿が目に焼き付いている。

 

かつての過ちにより、多くの失望を生んだ母国の自転車界に、再び新たな旋風を巻き起こさんとする彼の挑戦を、これからも応援し続けてきたいのだ。

 

 

そのための第一歩はここにある。たとえ守勢にまわっての勝利であったとしても、まずは勝利によって自信を取り戻してほしい。

第4ステージを終え、総合リーダージャージに袖を通すヴァンガーデレン。これを最終日まで守り切ることはできるのか。

ドワルスドール・フラーンデレン2017 フィリップ・ジルベールのロンドへの思い

フランダースクラシック2017

「北のクラシック最強軍団」クイックステップ・フロアーズが、その実力を遺憾なく発揮し、勝利を掴み取った。

「数的優位」が逆に敗北の兆候であると揶揄され続けてきたこのチームが、今期新加入となった「アルデンヌの王」フィリップ・ジルベールを中心としたチームワークで、表彰台のワンツーを飾る快挙を成し遂げたのだ。

ドワルスドール・フラーンデレン2017表彰台。左から順にフィリップ・ジルベール、イヴ・ランパールト、アレクセイ・ルツェンコ。

 

 

レースは終始、クイックステップ・フロアーズの支配下にあったように思う。

レース序盤から繰り広げられたアタック合戦の末に出来上がった6人の逃げは、クイックステップが支配するプロトンから6分以上のタイム差を許されることはなかった。

さらに最初の難所である「ニーウ・クワレモント」(残り112.5km地点)に近づくと、クイックステップを中心としたプロトンのペースアップが図られ、先頭とのタイム差が一気に縮まっていく。

2つ目の登り「カッテンベルク」(残り93.1km地点)および石畳区間ホーレウェグ」(残り92km地点)にて、前年優勝者のイェーレ・ワライス(ロット・ソウダル)がアタックしたものの、これもクイックステップの選手が背後に貼り付いたことで、やがて何もできずに吸収されることとなった。

 

さらに4つ目の登り「ベレンドリース」(残り77.5km地点)でベルギーチャンピオンジャージを着るフィリップ・ジルベールがアタック!

この動きの中で逃げの6人は吸収されてしまい、イヴ・ランパールトアレクセイ・ルツェンコディラン・フルーネヴェーヘンルーク・ダーブリッジなどを含む10名程度の「先頭集団」が形成される。

優勝候補であったアルノー・デマール、セップ・ヴァンマルク、ブライアン・コカールなどはここで完全に出遅れてしまい、彼らにとっての今日のレースは終わりを告げた。

 

 

そして本レース最大難所とも言える「パテルベルク」(残り32km地点)でランパールトがペースを上げる。

ランパールトの牽引が終わったあと、今度はジルベールがさらにペースアップ。これで、先頭集団はジルベール、ランパールト、ルツェンコ、ダーブリッジの4人だけとなった。

さらには残った「元」先頭集団に、プロトンから飛び出してきたゼネック・スティバールニキ・テルプストラが合流。

以後、追走の手を混乱させる役割を担うことに。

 

残り7km地点にある最後の石畳区間ヘルリーヘムストラート」で三度ジルベールがアタック。ダーブリッジらはかろうじてこれに喰らいつくが、吸収し、落ち着いたところでするっと抜け出すような形でランパールトが飛び出した。

ダーブリッジとルツェンコは慌ててこれを追いかけようとする。しかし背後にはジルベール。全力を出し過ぎれば今度は彼のカウンターが待ち構えてる。

かといって、余力を残した状態での追走で、ランパールトを捉えることもまた不可能。何しろ彼は、2年前のパリ~ルーベ終盤でグレッグ・ヴァンアーヴェルマートと共に飛び出して、結果的に7位に入るほどの走りを見せた男なのである。

結局は広がっていくタイム差を縮めることもできないまま、ルツェンコとダーブリッジはランパールトを取り逃してしまうことになる。

そして独走の末、ランパールトは勝利を掴んだ。

彼にとっては初めての、ワールドツアー勝利であった。

歓喜と共にゴールに飛び込む25歳のランパールト。クラシックスペシャリストとしてチームに貢献し続けてきた彼が報われる、その舞台を作ったのがジルベールであった。

 

 

ランパールトの独走力、そしてクイックステップ・フロアーズの総合力は確かに高かった。

しかしその中でも、ジルベールの果たした役割は非常に大きい。

 

合計で3度ものアタックを繰り出し、レース全体の勝負所を自ら作り上げていったジルベール。終盤の彼の攻撃にダーブリッジとルツェンコは反応せざるを得ず、それゆえに疲弊しきった彼らは、ランパールトのアタックに反応することができなかった。

 

そのうえ、ランパールトを追いかけるダーブリッジとルツェンコの背後で、ジルベールは虎視眈々と足を貯め続けていた。

結果、ラストのスプリントで、ジルベールは早い段階で先行したにも関わらず、そのまま追い付かれることなく2位フィニッシュを果たした。

 

多くのベルギー人が注目する中、ベルギーチームによる、ベルギー人2人によるワンツーフィニッシュ。

この快挙を成し遂げた立役者は、間違いなく「アルデンヌの王」フィリップ・ジルベールであった。

 

 

しかし、そんな彼の野望は、アルデンヌではなく、「クラシックの王様」こと、ロンド・ファン・フラーンデレンにあるという。

 

 

ロンドに懸けるジルベールの思い

「ロンドはいつだって僕を魅了し続けてきたよ*1」とジルベールは語る。

かつてベルギーチームに所属していた頃、彼は2度、ロンドの表彰台に上がっている。

しかし、その後ジルベールが移籍したBMCレーシングは、石畳クラシックのエースをグレッグ・ヴァンアーヴェルマートと定め、ジルベールには専らアルデンヌの勝利が期待された。

実際、彼は2012年以降、ロンドに出場しないまま過ごしてきている。

 

「僕はミラノ~サンレモか、もしくはロンド・ファン・フラーンデレンでの勝利が欲しい。もしそれが実現したならば、それはリエージュの2回目の勝利や、アムステルの4回目の勝利よりも嬉しいんだ*2

 

もちろんクイックステップにはトム・ボーネンがいる。今年のパリ~ルーベを最後に引退を表明している彼にとっても、ロンドの4回目の勝利は決して逃したくはないものに違いない。

 

ボーネンと僕はとても違っていて、同時にとても補完的な関係にあるんだ。だからきっとうまくいくよ*3

 

もちろんこれは額面通り受け取れる類のものではないだろう。しかし今回のドワルスドール・フラーンデレンでは、彼はランパールトとの間で素晴らしいチームワークを発揮した。

実際に彼らは2015年の世界選手権の際にルームメイトであったらしい*4。互いに尊敬と親しみをもって接すること、勝負所で「チームのために尽くす」ことをジルベールは理解している。

彼にとってロンドでの勝利とは、ただ彼自身の勝利のみを指すわけではないのかもしれない。

ベルギー人たちによる最強チームで、ベルギー最高のレースを制覇する。

そのために彼は、このチームに戻ってきたのかもしれない。 

 

4月の「クラシックの王様」で、「アルデンヌの王」が輝く瞬間を、私は心待ちにしている。

ゴール後、ランパールトと抱き合うジルベール。「ときおり、自分の勝利以上に友人の勝利を嬉しく思う瞬間があるんだ。今日のレースは2位だったけれど、悪くはない」と語ってもいる。

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2017 第2ステージ

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2017

波乱が予想されていた長距離(41km)チームタイムトライアル

大方の予想通り、トレック・セガフレードのタイム(50分10秒)を大きく上回ったのがBMCレーシングチーム48分57秒のタイムを叩き出し、トレックを1分13秒上回る結果に。トレックのエース、アルベルト・コンタドールはいきなり窮地に立たされることになった。

 

優勝候補の1つ、チーム・スカイはどうかというと・・・中間計測でBMCから22秒遅れ(トレックは同23秒遅れ)で、これも厳しい。

 

実際、結果的にスカイは49分41秒の結果となり、トレックからは30秒稼いだものの、BMCからは40秒近く失う羽目になってしまった。

 

 

これはBMCの勝利揺るぎないか・・・と思ったそのとき、

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第3の優勝候補、ヴィスタが中間計測更新!!

わずか8秒でしかないが、これを逆転されるとは、考えづらい。

 

 

結果として、モヴィスターは48分55秒となり、BMCを2秒上回りステージ優勝。

ヴィスターの先頭を取ったホセホアキンロハスが総合リーダージャージを獲得した。

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最後まで8人揃ってのゴールとなったモヴィスター。圧倒的な力を見せつけた形となった。

 

 

今回の結果は以下の通りである。

 

過去のカタルーニャが7秒や4秒、17秒、長くても1分30秒というタイム差で総合が決まっていることを考えると、もはやロマン・バルデマイカザッカリンタランスキーなどはもう帰ってもいい感じになりつつある。

というか、やっぱり40kmオーバーのTTTを1週間のステージレースに入れるのは無理があるでしょう。いくらなんでも大味すぎるのでは、カタルーニャ

 

とはいえ今年はこのあとにラ・モリー(第3ステージ)や、

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ラ・ポルト(第5ステージ)といった難関山岳ステージが待ち構えている。

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展開次第では、少なくともチーム・スカイあたりならば十分に逆転可能な位置につけてはいるし、こういった厳しい展開になったときに強いのがアルベルト・コンタドールである(で、結局勝てなかったりもするのだけれど)。

 

逆にチャンスなのがBMCである。

キンタナ相手ではちと分が悪くとも、バルベルデ師匠が相手であれば、付け入る隙は十分にありそうである(と、言うとファンに失礼だが)。

 

となると、奮起してほしいのがティージェイ・ヴァンガーデレンである。

過去のカタルーニャではクイーンステージで調子のいい男である。苦しんでいた昨年で、すら。

とくにラ・モリーナとの相性はいい。

明日の第3ステージ、ヴァンガーデレンの動きに注目である。

総合リーダージャージを着ることとなったホセホアキンロハスブエルタ最終日前日の激しい転倒により大怪我を追っていたが、この3月に早くも復帰となった。このジャージは、そんなロハスに対しての、チームからの祝福だったのかもしれない。

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2017 第1ステージ

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2017

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ第1ステージは平坦ステージ・・・というのは名ばかりで、2日前のミラノ~サンレモから駆けつけている選手たちにとってはあまりにも厳しい山岳含みのコースとなった。

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とはいえ翌第2ステージは総合成績を左右しかねない長距離チームタイムトライアルが待っているため、激しいアタック合戦が繰り広げられることはなく、全体としては非常にまったりとした展開となった。

 

最初に逃げに乗ったのは4人。ソウルブラジル・プロサイクリングチームのマギノ・ナザレ(ブラジル、35歳)とムリロ・アフォンソ(ブラジル、25歳)、バーレーンメリダアントニオ・ニバリ(イタリア、25歳)、そしてキャノンデールドラパックのピエール・ローラン(フランス、30歳)。

さらに3人の追走がブリッジを仕掛けて合流した。マンサナ・ポストボンのイェツェ・ボル(オランダ、27歳)、AG2R・ラモンディアルのアクセル・ドモン(フランス、26歳)、そしてローランのチームメートであるブレンダン・キャンティ(オーストラリア、25歳)である。

ワンティ・グループゴベールのマルコ・ミナールト(オランダ、27歳)も合流を図って飛び出したがこれは成功しなかった。

 

 

完成された7人の逃げは次々と山岳を越えていったが、最後の1級山岳コル・フォルミックをアントニオ・ニバリが獲った以外は、それより手前のすべての山岳の山頂をムリロ・アフォンソが先頭通過した。

よって、アフォンソは48ポイントを獲得してこの日の山岳賞ジャージを手に入れた。

とはいえ、山岳があまりにも多いカタルーニャのこと。これだけのポイントを手にしてもその維持は簡単ではないだろう。

 

なお、2つある中間スプリントはそれぞれピエール・ローランとムリオ・アフォンソが1位と2位を互いに分け合う形で獲得。ニバリがどちらも3位という結果となった。

本大会にはゴールスプリントで得られるポイントがないため、「スプリント賞」という名のついた賞は純粋に中間スプリントによるポイントで争うことになる(と思われる)。

ローランとアフォンソは合計で5ポイントずつで並んだものの、最終的な着順によってか、アフォンソがジャージを獲得することになった。

プロコンチネンタルチーム所属の名の知られていないブラジル人が、初日でいきなり2つのジャージを獲得することに。

 

 

さて、コル・フォルミックからの長い下り(28km)を利用して前に飛び出したのがドモンとボルの2人。追走を仕掛ける残りの5人およびプロトンとは1分以上のタイム差を確保して平坦区間へと入る。

しかし最後の3級山岳アルト・デ・コルサクレウの登りに入ると一気にペースが落ち、あっという間に集団に吸収されてしまった。

ゴールまで残り25km。あまりにも早い集団による吸収に、新たな飛び出しがかかるかとも思ったが、やはり明日のことを考えて慎重に事を進めようとしているのか、そういった動きはここでは現れず。

集団はこの日のスプリント勝利を狙っているロット・ソウダルとコフィディスが中心となってコントロールされていた。(カチューシャ・アルペシンも前に出てくる姿が見られたが、有力なスプリンターはいただろうか?)

 

コルサレウの下りでチーム・スカイの面々が前方に陣取る。これは集団に対する攻撃というよりは安全確保であろう。昨年ツールでも黙々と集団コントロールに努めていたヴァシル・キリエンカ選手の仏頂面と我々はまた睨めっこをする羽目に。

 

そして海岸沿いの最後の平坦に出たところで、まず攻撃を仕掛けたのがAG2R・ラモンディアルのシリル・ゴチエ。いつもの選手である。賑やかし要因。プロトンも大して反応はしない。

さらに残り3km地点でゴチエが捕まると、カウンターで飛び出したのがスカイのピーター・ケノー。元英国チャンピオンの鋭いアタックに、さすがに集団も色めき立つ。

このときすでに、ロット・ソウダルのアシストが1枚だけになっていた。登りで剥がれてしまったのだろうか。

このことが、最後のグライペル敗北の伏線となった。

 

残り1km。フラム・ルージュを通過したところでケノーが捕まり、混沌とした状態で最後のスプリントを迎える。

ラスト数百メートルはわずかに登るスプリント。

先日のノケレ・クルス登りスプリントを制したナセル・ブアニが、チームメートの絶妙なアシストを受けながら先陣を切った。

 

最高のスプリントだった。

 

しかし、FDJもいい仕事をしていた。とくに、フランスチャンピオンジャージを着用したアルチュール・ヴィショは、登りでしっかりとダヴィデ・チモライをリードアウトし、そしてブアニの背後という最高のスポットに彼を導き入れた。

あとは、ブアニとチモライの一騎打ちであった。

グライペルを含む残りのメンバーは完全に置き去りにされた。

最後の最後、互いに自転車を投げ出すブアニとチモライ。

決着は――手足の長さの差が出たか? チモライがわずかにブアニを差し切った。

低い姿勢を保つブアニに対し、チモライは上半身を上げた高い姿勢によるスプリントを繰り出した。最後の最後で、飛び出した長い手がハンドルを突き出し、勝利を掴んだ。

 

 

優勝候補と思われていたグライペルは完全に集団の中に埋まってしまっていた。飛び出しが遅く、また進路を塞がれてしまってはどうしようもなかった。チームメートが多く残っていればまだ違った展開になっていたかもしれない。しかしそれを許さないのがカタルーニャのステージレイアウトなのだ。

その意味で、しっかりと右腕のスープを残せていたコフィディスは十分に強かった。そしてそれ以上に、ヴィショを始めとしたFDJの面々が強かったのである。

勝利を喜ぶチモライ。総合リーダージャージも着用することに。

 

 

明日はチームタイムトライアル

ティレーノ~アドリアティコでも見せた、FDJのチームとしてのTT能力の高さによって、チモライがジャージを維持する可能性はある。

だが、40kmオーバーの起伏込みのTTTであり――その結果は波乱に満ちたものになるであろうことは、想像に難くない。

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カタルーニャ第2ステージは、起伏に富んだ41kmのチームタイムトライアル。否が応にも総合争いは大きく動くだろうし、その差が最後まで続く決定的なものとなる可能性すらある。

 

 

 


Volta a Catalunya 2017 Stage 1 Final Kilometers

ドワルスドール・フラーンデレン2017 エドワード・トゥーンスはワールドツアー初勝利を飾れるか

フランダースクラシック2017

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3月22日水曜日、ベルギー北西部西フランドル地方を舞台に行われるワンデーレース。今年からワールドツアー入りを果たした。

 

ここから2週間にわたって行われる、フランドルクラシック4連戦の開幕を告げるレースであり、ヘント~ウェヴェルヘムやロンド・ファン・フラーンデレンでもお馴染みの石畳区間・激坂区間を持つことでも有名である。

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上のマップの緑→オレンジ→赤の順でコースを辿る。後半残り35km辺りから「オウデ・クワレモント」や「パーテルベルグ」などのお馴染みの急坂が待ち構えている。

 

ロンドなどと比べると有利なのか、過去の上位入賞者の名前を見るとスプリンターの名前もちらほらと見られる。昨年もブライアン・コカールがあわや優勝か、というところまで行った。

 

そんな特徴をもつこのレースで、個人的に注目している選手が2人いる。 

 

1人目がエドワード・トゥーンス。

トレック・セガフレードに所属する、ヘントブリュッヘ出身の26歳だ。

 

 

Edward Theuns

プロコンチネンタルチーム(トップスポート・フラーンデレン)に所属していた2014/2015シーズンから、エトワール・ド・ベセージュやダンケルク4日間レースなどでその存在感を発揮していた。

トレック・セガフレードへの移籍が決まった昨シーズンも、パリ~ニース区間2位、ツール・ド・フランスでも区間5位を2回取るなど、初めて走るワールドツアーレースでもしっかりとその実力を見せつけていた。

 

しかし、ツール・ド・フランス第13ステージの個人タイムトライアルで激しく落車。

背中を強く打ち付け、シーズン後半を棒に振ることになってしまった。

 

12月に復帰したトゥーンスは、今シーズン開幕戦となるツアー・ダウンアンダーに早くも出場。

万全とは言えない状態の中で、区間8位と5位という結果を出すなど、復帰は好調に進んでいる様子だが、パリ〜ニースではイマイチな結果に終わった。

 

しかしドワルスドール・フラーンデレンは初出場の一昨年に2位、昨年も3位と相性がいいレース。ここで本格的な復帰を遂げたいところである。

そして今年中に、グランツール区間優勝も。

 

 

Jens Keukeleire

もう1人の注目選手が、オリカ・スコットでエースを務めるイェンス・ケウケレールである。28歳のベルギー人。

彼は過去5年間で4度、ベスト10に入っている

昨年はとうとう5位と、過去最高の順位を記録した。

スプリンターとしては新鋭のコルトニールセンにお株を奪われつつあるが、ベルギーのクラシックレースでは自分の方が一枚上手である、と証明したいところ。

実際、ツール・ド・スロベニアでの勝利など、ゴール手前に起伏を含むレースでの勝率は高く、スプリンター向けの北のクラシックとの相性がいいことがわかる。

昨年ブエルタの第12ステージで勝利。サイモン・イェーツに次ぐオリカの2勝目となった。ただしこのあとコルトニールセンが2勝を重ねる。

 

 

Other Favourites 

他にも、ストラーデ・ビアンケでも良い走りを見せていたスコット・スウェイツや、ティンコフからあえてサガンと行動を共にせずアスタナに移籍したオスカル・ガットなど、注目したい選手はいたのだが、その両名ともにチームが本レースに参戦しないことを決めたらしく、不参加。

非常に残念である。

 

それ以外では、初出場となるらしいマイケル・マシューの走りにも注目だ。サンウェブはほかにニキアス・アルントもいて、こちらでも勝利を狙っていけるかもしれない。

ほかにもルノー・デマールが初出場か。ワールドツアー化したことで出場選手もより豪華になり、例年よりもハイレベルな戦いが繰り広げられるかもしれない。

もちろんディフェンディングチャンピオンデブシェールと、そのチームメートのティース・ベノートも優勝候補に挙げられるだろう。