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りんぐすらいど

ロードレース関連の記事が中心。https://twitter.com/SuzuTamaki

ツアー・ダウンアンダー2017 ピープルズチョイスクラシック

ついに開幕した、2017シーズン最初のワールドツアーレース、ツアー・ダウンアンダー

オーストラリア・アデレード州を舞台にして繰り広げられる、クリテリウム1戦+ラインレース6戦の全7戦をレビューしていく。

 

今回はその第1弾。UCI非公認レースである「ピープルズチョイスクラシック」。

非公認レースなれど、本番さながらの熱気のもと繰り広げられるスピード勝負。

注目はもちろん昨年の優勝者であり、年初の国内選手権クラシックでも優勝したカレブ・ユアン。

そして、今大会全体を通して注目されているペーター・サガンである。

 

 

注目選手・ステージ詳細・スタートリスト・表彰台予想は以下の記事にあります。

suzutamaki.hatenablog.com

 

 

ピープルズチョイスクラシック(50.6km)

2.3kmの周回コースを22周するクリテリウムレース。

6周目・10周目・15周目にそれぞれ周回賞が設けられている。

これはUCI非公認レースであり、この日の成績はこのあとに始まるダウンアンダー本戦にはまったく影響しない。UCIポイントもつかない。

それでも、シーズン最初の本格的なレースの緒戦ということもあって、全選手十分な気合の入れようでスタートした。

 

最初に確定した逃げは、ディメンションデータの21歳オーストラリア人、ベン・オコナーと、キャノンデールドラパック・プロサイクリングの31歳オーストラリア人、ウィル・クラークの2人。

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逃げるクラーク(前)とオコナー(後)。jsportsより。

 

21歳と31歳、10歳も離れた二人ではあるが、それぞれ昨年まではそれぞれドラパック、アヴァンティと、非ワールドツアーチームからの昇格組である。

ここはしっかりと目立っておきたい!という気持ちが強く出た逃げだったようだ。

 

FDJの選手が追いすがろうとするも届かず、この2人だけで逃げ続け、6周目、最初の周回賞に辿り着いた。

 

ここを勝ち取ったのは、ベテランのクラーク。

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僅差で、若手のオコナーを差し切ったクラーク。jsportsより。

 

このあとクラークは集団に戻り、オコナーは単独での逃げとなった。

 

プロトンは本日の勝利を誰よりも狙っているであろう、オリカ・スコットの牽きで淡々と進む。

どうやら、逃げは完全に容認するつもりのようで、追走も、ロット・ソウダルのラルス・バクと、オコナーのチームメートでもあるディメンションデータのネイサン・ハースが飛び出してはいるものの、オコナーには追い付く様子はない。

そのままベン・オコナーは10周目と15周目の第2・第3周回賞をともに獲得した。

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3回目の周回賞を獲得するオコナー。集団とは30秒差をつけている。jsportsより。

 

21歳、元コンチネンタルチームの、オージーライダーの新鋭が、この地元のワールドツアーチームでしっかりと存在感を見せてくれた!

(ちなみにこのオコナー、昨年のU23国内選手権ITT部門の3位であるようだ。そりゃ独走力も高いわけで・・・今後に期待だ!)

 

そしていよいよ、ゴールに向けて各チームがトレインを形成し始める。

まず出てくるのはもちろん、昨年のこのレースでも優勝しているカレブ・ユアン率いるオリカ・スコット。

ディフェンディングチャンピオンのサイモン・ゲランスが自らトレインを牽引する。

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オリカ・スコット(左)およびUAEアブダビ(真ん中)のトレインが形成されている集団前方。jsportsより。

 

次いで、同じくエースナンバーを着用するゲラント・トーマスが牽引する形で、チーム・スカイのメンバーがトレインを形成してペースを上げていく。

23歳のオランダ人スプリンター、ダニー・ファンポッペルの勝利のための牽きである。

あるいは、元ワロニーの28歳ベルギー人スプリンター、パプティスト・プランカートルを擁するチーム・カチューシャも、ホナタン・レストレポとホセ・ゴンサルベスが牽いて集団の先頭に飛び出してくる。

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右の黒と青のジャージがチーム・スカイ。そして左の背中に白いKの文字を刻んだ赤いジャージがカチューシャである。jsportsより。

 

しかし最終周回に入ると、やはりこのチームが姿を現した。

すなわち、今大会の台風の目、ペーター・サガン率いるBORAハンスグローエである。

正直、このドイツの元プロコンチネンタルチームが、サガンをスプリント勝利させるだけのチーム力が果たしてあるのか、不安ではあった。

しかし、今回のこのクリテリウムレースで、BORAがその仕事を十分にこなせるチームであることが証明された。

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最終周回でサガンをきっちり牽引するBORAトレイン。jsportsより。

 

とくに28歳ドイツ人のリュディゲル・ゼーリッヒ、そして26歳アイルランド人で昨年までのBORAのエーススプリンターであったサム・ベネット

この2人が最後までサガンと行動を共にし、ゴール前まで付き従ったのである。

サム・ベネットはなぜか最終局面でサガンの後ろに貼り付いていたけれど???

 

そして最後のカーブを曲がり、ラストスプリント勝負!

サガンは、最後の最後までユアンの動きを警戒し、何度も振り返っていた。

その隙をついてプランカートルが飛び出し、オリカのアシスト(ロジャー・クルーゲだったようだ)がこれに追いすがろうとすると、サガンもその背後を取った。

 

このあとのユアンの伸びが凄まじかった。

あっという間にサガンの隣についてアシスト(クルーゲ)の背中に隠れ、適切なタイミングでその背中から飛び出すと、あとは誰にも止められなかった。

 

ポケット・ロケット。

相変わらずの低いフォームは、健在だった。

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そして突き進んだ小さなロケットは、2017シーズンワールドツアー(非公認だけど)最初のレースにおいて、昨年に続く勝利を成し遂げたのである。

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直前でサガンの背後から飛び出してきたサム・ベネットが2位。物凄い勢いだった、どんな意図があったのか、ベネット。

 

 

年初の国内選手権クリテリウムでも2連覇を果たしており、その専用ジャージを着ているカレブ・ユアン。

明後日から始まるダウンアンダー本戦では、昨年のように勝利を重ねることができるのか。

そしてサガンは、この本戦でこそ活躍に期待である。チームもしっかりと仕上がっている。あとは、周りからどれだけ警戒されるかである。

 

 

ピープルズチョイスクラシック(UCI非公認クリテリウムレース)

1.カレブ・ユアン(オリカ・スコット)

2.サム・ベネット(ボーラ・ハンスグローエ)

3.ペーター・サガン(ボーラ・ハンスグローエ)

4.ニッコロ・ボニファツィオ(バーレーンメリダ)

5.エドワード・トゥーンス(トレックセガフレード)

6.マーク・レンショー(ディメンションデータ)

7.ショーン・ドゥビー(ロット・ソウダル)

8.バプティスト・プランカートル(チーム・カチューシャ)

9.パトリック・ベヴィン(キャノンデールドラパック)

10.ヤッシャ・ズッターリン(モヴィスター)

 

今大会で期待しているベヴィンがしっかりと9位に入ってきている。

トゥーンスもいい位置につけており、今シーズン中の大ブレイクに期待が持てる。

ズッターリンってスプリンターなんだね・・・モヴィスターは彼によるスプリント勝利を今大会で狙っていくのだろうか。

 

 

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