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りんぐすらいど

ロードレース関連の記事が中心。https://twitter.com/SuzuTamaki

ドバイツアー2017 第3ステージ感想&第4ステージプレビュー

中東の地における、2年ぶりの勝利。

昨年初頭に事故に遭ってからというもの、万全の状態を取り戻しきることなくシーズンを終えてしまった昨年。

ノルウェーや地元ドイツのレースでの勝利こそあったものの、キッテルやカヴェンディッシュなどの超一流スプリンターとの対決に勝利するところまで彼は戻ってきたのだ。

今年、再びミラノ~サンレモやパリ~ルーベに挑むことはできるのか?

そして、グランツールでの勝利は。

ジョン・デゲンコルブ復活を予感させる鋭い勝利であった。

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ソニー・コルブレッリ、ジャン=ピエール・ドラッカーを尻目に勝利を喜ぶデゲンコルブ。

 

ドバイから首長国連邦を構成する半島を真横に横切り、反対側の海岸線(フジャイラ)に入り北上、アル・アカ(Al Aqah)に至る200km。今大会最長のコースとなっている。

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砂漠の中を駆け抜けるペロトン。

 

今日の逃げは4人。ルカ・ピベルニク(バーレーンメリダ)、ロイック・ヴリーヘン(BMCレーシング)、アレックス・ドゥーセット(モヴィスター・チーム)、そして昨日に続けての逃げとなるマーク・クリスティアン(アクアブルースポート)。

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これでアクアブルースポートは3日連続での逃げとなる。さらに今日はワールドツアーチームに囲まれて唯一のプロコンチネンタルチームの逃げとなる。

アクアブルースポートは今年できたばかりのアイルランド籍チーム。大きな期待が寄せられているチームだけに、今後ほかのレースでの活躍にも注目だ。

 

砂漠のコースに強い風が吹き付け、砂嵐も発生したことでペロトンは思わぬダメージを喰らう。

そして逃げメンバーたちは残り3km近くまで粘り強く残っていたが、やがて吸収され、ついに最後の1kmを迎えることになる。

 

トンネルを抜けたとき、ディメンションデータは集団の先頭を走っていたが、肝心のカヴェンディッシュの姿がなかった。

また、ここまで最強を維持し続けてきたクイックステップ・トレインが今日は機能していなかった。

昨日まで仕事をし続けながらも勝利のチャンスを掴めずにいたトレック・セガフレードがにわかに色めき立つ。

カヴェンディッシュ不在のディメンションデータも、代わって先頭に立ったレイナルト・ヤンセファンレンズバーグが決死のスプリントを仕掛ける。

だが、それを差し切って、ジョン・デゲンコルブが勝利を掴んだ。

別府選手を含めたアシストたちの全力のサポートの結果であり、勝利の後、デゲンコルブはチームメート1人1人と力強く抱擁した。別府選手も満面の笑顔でこれに応えていた。

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レース後もチームへの感謝の言葉を次々と紡いでいくデゲンコルブ。

怪我によって辛いシーズンを送らねばならなかった彼にとって、新チーム移籍後初となるこの勝利に対する思いは果てしなく強いところがあっただろう。

ここから彼は新しい伝説を作っていくはずだ。

 

 

集団に埋もれ、スプリント勝負に食い込めなかったキッテルも、総合2位のフルーネヴェーヘンと共に、総合首位の座をキープすることはできている。

だが、レース後の彼の左目の上に生々しい傷跡が。

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なんでも、アスタナ・プロチームのアンドレイ・グリヴィコ選手に殴られたことによるものらしい。

この事件を受けて、グリヴィコはレース失格。6か月間の出場停止処分を受ける。

 

 

第4ステージ「ハッタ・ダム」に向けて

いよいよドバイ・ツアーも後半戦に突入。

迎えるのは大会唯一の登りフィニッシュ「ハッタ・ダム」。

距離は1kmに満たない程度だが、最大17%の超激坂である。

力強い登りをこなせる選手のみが勝利を手にし、そして総合優勝を手に入れたいスプリンターはここで引き離されないように堪えるしかない。

 

そして、注目は、本日の勝者ジョン・デゲンコルブが、2年前のこのハッタ・ダムステージで勝利している、という事実である。

現在、キッテルとデゲンコルブのタイム差は10秒。

明日のステージで、デゲンコルブが再び勝利し、キッテルが4位以下に沈んだ場合、総合順位が入れ替わる可能性がかなり高いということである。

 

しかしキッテルも昨年、このハッタ・ダムステージを執念で登り切り、わずか4秒差での6位ゴールを果たしている。

そして翌日の最終ステージで勝利し、逆転総合優勝を決めているのだ。

 

どうなるかわからない。総合争いに大きな影響を及ぼし得るステージ、それがこのハッタ・ダムである。

なお、昨年のハッタ・ダム勝者フアン・ホセ・ロバトは今年はロットNLユンボでの参戦となっている。

今年は総合優勝も狙える位置にあるエース、フルーネヴェーヘンを抱えている身だけに、彼がどのように動くかも見ものである。

彼のアシストの結果、もしかしたらフルーネヴェーヘンが逆転総合首位という可能性もありうるのだ。

 

その他、この登りゴールで勝利を掴めそうなメンバーとして、モヴィスターのエース、ウィナー・アナコナ、チーム・スカイの若手最大の爆発力を持つジャンニ・モズコン、あるいはガスパロットサミュエル・サンチェスといったクラシックスペシャリストたちの活躍が見られるかもしれない。

 

きっと見逃せない展開になる、そんなハッタ・ダムゴールの第4ステージに注目だ。

 

 

なお、砂嵐の激しさが原因で、明日のコースが大幅に短縮され、109kmのコースとなったようである。詳細なコースレイアウトは以下の記事を参照のこと。

www.cyclingnews.com

 

ラストの登りゴール自体は問題なく維持されるため大勢に影響はないだろうが、短めのステージであるがゆえに体力が有り余っているトップパンチャーたちが、全力でぶつかり合う激しいゴールが見られるかもしれない。