ティレーノ~アドリアティコ第2ステージ
初日のチームタイムトライアルに続き、ティレーノ~アドリアティコ第2ステージはいきなりの登りゴール。最大勾配15%の激坂区間を含む厳しいフィニッシュで、総合が動く可能性すらあった。
このステージの終盤5kmで飛び出したのが、昨日のチームTTで原因不明のメカトラブル続出により大きくタイムを失ったチーム・スカイ。そのエース格の1人、ゲラント・トーマスであった。
ボブ・ユンゲルス、ヨナタン・カストロヴィエホ、そしてダミアーノ・カルーゾらの追随もすぐさま振り切って、トーマスは残り4kmを独走。
最大で20秒近いタイム差をつけたまま、最後は後続集団と9秒のタイム差をもってゴールした。
総合でのタイムを大きく失っていたことから、逃げを見逃された、と見ることも可能かもしれない。
しかしこの日、最も足が良かったのもまた事実で、今年ジロのエースを狙っているというトーマスにとっては、絶好調の滑り出しを見せることができた。
また、残り1kmを切るタイミングで飛び出したトム・デュムランの動きも、最終的には吸収されてしまったものの、いい走りであった。
ルイ・コスタも一度アタックを仕掛けていたりと、今シーズン調子のいい選手たちがしっかりと動いたレースであった。
恐れていた総合勢のタイムロストというのもなく、結果的には平穏無事に終わったステージと言える。
明日は平均勾配7%の登りスプリントフィニッシュ。
昨年はガヴィリアがユワンとサガンを下しての勝利を果たした印象的なステージで、今年のユワンのリベンジを期待していたのだが、ユワン、そしてその頼れる発射台であるクルーゲが、ともにこの第2ステージでリタイアとなってしまった。
本日も3位に入る好走を見せたサガンが、最大の優勝候補と言えるだろう。
プロコンチネンタルチームの中から唯一ガヴァッツィがベスト10入り。今シーズン序盤もベスト10に入るリザルトを複数回見せているベテランパンチャーである。
パリ~ニース第5ステージ
連続するラウンドアバウトによってトレインが崩壊。
相変わらず混沌としたスプリントを制したのは、巧みにデマールの背後にとりついていたアンドレ・グライペル。
残り75mで飛び出したグライペルは、そこから一気に加速。
先頭を走っていたフルーネヴェーヘンを追い抜き、軽々と勝利を掴み取ってしまった。
グライペル今期3勝目。昨年よりも早いペースで勝利数を稼いできている。
(なお、勝利数最多はカレブ・ユワンの5勝、次いでキッテルとクリストフの4勝だ)
キッテルは不調。トレインがうまく機能しなかったというのもあるが、明日から始まる本格的な山岳ステージに向け、クイックステップとしてもキッテルのためにリソースのすべてを割くわけにはいかない、という状況なのかもしれない。
これでスプリンターが活躍しうるステージは終了。
勝利を得られずに終わったキッテルは不完全燃焼といったところか。
きっちりとベスト10に入ってくるコルブレッリとベネットはさすが。そしてコルトニールセン、コカールもきっちり今年の調子の良さを発揮している。
明日は山岳逃げステージ。
どんな選手が逃げに乗るかが、楽しみである。