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ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ2017 第1ステージ

ボルタ・シクリスタ・ア・カタルーニャ第1ステージは平坦ステージ・・・というのは名ばかりで、2日前のミラノ~サンレモから駆けつけている選手たちにとってはあまりにも厳しい山岳含みのコースとなった。

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とはいえ翌第2ステージは総合成績を左右しかねない長距離チームタイムトライアルが待っているため、激しいアタック合戦が繰り広げられることはなく、全体としては非常にまったりとした展開となった。

 

最初に逃げに乗ったのは4人。ソウルブラジル・プロサイクリングチームのマギノ・ナザレ(ブラジル、35歳)とムリロ・アフォンソ(ブラジル、25歳)、バーレーンメリダアントニオ・ニバリ(イタリア、25歳)、そしてキャノンデールドラパックのピエール・ローラン(フランス、30歳)。

さらに3人の追走がブリッジを仕掛けて合流した。マンサナ・ポストボンのイェツェ・ボル(オランダ、27歳)、AG2R・ラモンディアルのアクセル・ドモン(フランス、26歳)、そしてローランのチームメートであるブレンダン・キャンティ(オーストラリア、25歳)である。

ワンティ・グループゴベールのマルコ・ミナールト(オランダ、27歳)も合流を図って飛び出したがこれは成功しなかった。

 

 

完成された7人の逃げは次々と山岳を越えていったが、最後の1級山岳コル・フォルミックをアントニオ・ニバリが獲った以外は、それより手前のすべての山岳の山頂をムリロ・アフォンソが先頭通過した。

よって、アフォンソは48ポイントを獲得してこの日の山岳賞ジャージを手に入れた。

とはいえ、山岳があまりにも多いカタルーニャのこと。これだけのポイントを手にしてもその維持は簡単ではないだろう。

 

なお、2つある中間スプリントはそれぞれピエール・ローランとムリオ・アフォンソが1位と2位を互いに分け合う形で獲得。ニバリがどちらも3位という結果となった。

本大会にはゴールスプリントで得られるポイントがないため、「スプリント賞」という名のついた賞は純粋に中間スプリントによるポイントで争うことになる(と思われる)。

ローランとアフォンソは合計で5ポイントずつで並んだものの、最終的な着順によってか、アフォンソがジャージを獲得することになった。

プロコンチネンタルチーム所属の名の知られていないブラジル人が、初日でいきなり2つのジャージを獲得することに。

 

 

さて、コル・フォルミックからの長い下り(28km)を利用して前に飛び出したのがドモンとボルの2人。追走を仕掛ける残りの5人およびプロトンとは1分以上のタイム差を確保して平坦区間へと入る。

しかし最後の3級山岳アルト・デ・コルサクレウの登りに入ると一気にペースが落ち、あっという間に集団に吸収されてしまった。

ゴールまで残り25km。あまりにも早い集団による吸収に、新たな飛び出しがかかるかとも思ったが、やはり明日のことを考えて慎重に事を進めようとしているのか、そういった動きはここでは現れず。

集団はこの日のスプリント勝利を狙っているロット・ソウダルとコフィディスが中心となってコントロールされていた。(カチューシャ・アルペシンも前に出てくる姿が見られたが、有力なスプリンターはいただろうか?)

 

コルサレウの下りでチーム・スカイの面々が前方に陣取る。これは集団に対する攻撃というよりは安全確保であろう。昨年ツールでも黙々と集団コントロールに努めていたヴァシル・キリエンカ選手の仏頂面と我々はまた睨めっこをする羽目に。

 

そして海岸沿いの最後の平坦に出たところで、まず攻撃を仕掛けたのがAG2R・ラモンディアルのシリル・ゴチエ。いつもの選手である。賑やかし要因。プロトンも大して反応はしない。

さらに残り3km地点でゴチエが捕まると、カウンターで飛び出したのがスカイのピーター・ケノー。元英国チャンピオンの鋭いアタックに、さすがに集団も色めき立つ。

このときすでに、ロット・ソウダルのアシストが1枚だけになっていた。登りで剥がれてしまったのだろうか。

このことが、最後のグライペル敗北の伏線となった。

 

残り1km。フラム・ルージュを通過したところでケノーが捕まり、混沌とした状態で最後のスプリントを迎える。

ラスト数百メートルはわずかに登るスプリント。

先日のノケレ・クルス登りスプリントを制したナセル・ブアニが、チームメートの絶妙なアシストを受けながら先陣を切った。

 

最高のスプリントだった。

 

しかし、FDJもいい仕事をしていた。とくに、フランスチャンピオンジャージを着用したアルチュール・ヴィショは、登りでしっかりとダヴィデ・チモライをリードアウトし、そしてブアニの背後という最高のスポットに彼を導き入れた。

あとは、ブアニとチモライの一騎打ちであった。

グライペルを含む残りのメンバーは完全に置き去りにされた。

最後の最後、互いに自転車を投げ出すブアニとチモライ。

決着は――手足の長さの差が出たか? チモライがわずかにブアニを差し切った。

低い姿勢を保つブアニに対し、チモライは上半身を上げた高い姿勢によるスプリントを繰り出した。最後の最後で、飛び出した長い手がハンドルを突き出し、勝利を掴んだ。

 

 

優勝候補と思われていたグライペルは完全に集団の中に埋まってしまっていた。飛び出しが遅く、また進路を塞がれてしまってはどうしようもなかった。チームメートが多く残っていればまだ違った展開になっていたかもしれない。しかしそれを許さないのがカタルーニャのステージレイアウトなのだ。

その意味で、しっかりと右腕のスープを残せていたコフィディスは十分に強かった。そしてそれ以上に、ヴィショを始めとしたFDJの面々が強かったのである。

勝利を喜ぶチモライ。総合リーダージャージも着用することに。

 

 

明日はチームタイムトライアル

ティレーノ~アドリアティコでも見せた、FDJのチームとしてのTT能力の高さによって、チモライがジャージを維持する可能性はある。

だが、40kmオーバーの起伏込みのTTTであり――その結果は波乱に満ちたものになるであろうことは、想像に難くない。

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カタルーニャ第2ステージは、起伏に富んだ41kmのチームタイムトライアル。否が応にも総合争いは大きく動くだろうし、その差が最後まで続く決定的なものとなる可能性すらある。

 

 

 


Volta a Catalunya 2017 Stage 1 Final Kilometers