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りんぐすらいど

ロードレース関連の記事が中心。https://twitter.com/SuzuTamaki

ブエルタ・アル・パイスバスコ2017 第3ステージ&シュヘルデプライス2017

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ダビ・デラクルス、今期2度目の逃げ切り勝利!

昨年8月末にブエルタにてプロ初勝利を遂げてから、わずか半年とちょっと一気にワールドツアー勝利3つを積み上げた。

さらに言えば同日開催のシュヘルデプライス(1.HC)でのキッテル勝利と合わせ、クイックステップ今期早くも23勝目である。57勝を挙げた去年よりも、63勝を挙げた2014年よりも速いペース。これは今年、70勝行ってしまうか⁉

 

いずれにしても、絶好調な「青の軍団」。記事後半ではシュヘルデプライスについても触れます。

 

 

 

 

ブエルタ・アル・パイスバスコ 第3ステージ

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ガステイス(西:ビストイア)からドノスティア(西:サン・セバスティアン)に至る160kmのコースは、激しいアップダウンに彩られ、逃げ切りも狙えるかもしれないという思いのもとで、多くのアタックを生み出した。

 

結果、はっきりとした逃げ集団が作られたのは40kmほど消化してからであった。

アレッサンドロ・デマルキ(BMC)やマッテオ・モンタグーティ(AG2R)、カタルーニャでも積極的な逃げを見せたアントニオ・ニバリ(バーレーン)やアレックス・ハウズ(キャノンデール)、さらにはアスタナのエース格ヤコブ・フールサンまで含んだ総勢9名の逃げとなった。

 

しかし、毎年数秒のタイム差で決まってしまうパイス・バスコ。とくにフールサンのような強敵に簡単に逃げ切りを許すわけにはいかない、とばかりに集団の先頭を牽引するのはモヴィスターとスカイ。

リーダージャージを着るマイケル・マシューズは最終盤まで粘ってはみたものの、やはりこのステージでジャージを手放すことは不可避であったようだ。

 

 

この日、優勝候補たちの間で飛び抜けた結果を出す選手はいなかった一方で、逆に総合優勝争いから脱落する選手が出てしまった。

昨日の第2ステージで、鋭いアタックを決めながらもパンクで失敗に終わるという不運を味わったジュリアン・アラフィリップが、今回もまた、フィードゾーンでの何かしらのアクシデントにより落車。

すぐに自転車に跨ってリスタートしたものの、腕を痛めたような仕草もし、最終的には16分以上遅れてのゴールとなってしまった。

彼が本命視するアルデンヌ・クラシックが目前に迫っていることもあり、大事を取って明日以降のレースは出走しない可能性もあるだろう。

 

もう一人、悲劇に見舞われたのがサイモン・イェーツである。残り20km、最後の3級山岳へと登ろうとするところで、メカトラブルに見舞われる事態に。

結果、彼も1分30秒遅れでのゴールとなり、アラフィリップほど絶望的ではないにせよ、総合上位の道は限りなく難しくなったと言わざるをえないだろう。

直前のミゲル・インドゥラインで優勝するなど好調な姿を見せていただけに残念である。明日以降はステージ勝利に的を絞って戦う姿を見せてくれるかもしれない。

 

 

そして最後のこの3級山岳の登りで活発な攻撃が仕掛けられた。

まずはロマン・バルデ。彼はパリ~ニースにおいては悲しい結末を迎えたが、その後は吹っ切れたかのように積極的な姿勢が目立っている。

今のところそれが実を結ぶことはないが、ツールに向けて、少しずつその攻撃的な走りに磨きをかけていってほしいものだ。

また、今大会総合優勝候補の1人だと勝手に思っているプリモシュ・ログリッチェも攻撃に出た。直接的な山岳バトルでは一歩劣る彼が、不意打ちからの得意の独走態勢に持ち込まんとしての攻撃だったようだが、これは不発に終わってしまった。

 

代わって決定的な攻撃を仕掛けることができたのが、デラクルズであった。

残り15km地点からのアタック――やや無謀とも言えるこの攻撃を成功させてしまうあたりは、まるで先日のジルベールのときのようである。

パリ~ニースのときは伴走者がいた中での逃げ切りであったが、今回は正真正銘、自らの力でのみ勝ち取った勝利である。

3秒後方にプロトンが迫る中、力強く右手を引くガッツポーズで自らを讃えたデラクルズ。

ついでにリーダージャージまで獲得してしまい、ほくほくである。

 

 

シュヘルデプライス

スプリンターのためのクラシック、という様相を毎年呈しているシュヘルデプライス。

今年はトム・ボーネンの生家からのスタートという演出。何しろ今日はボーネンにとって、ベルギーで走る最後のレースとなったのだから。

 

だからこそクイックステップ・フロアーズは、全力で勝負に出ることに決めた。

残り7kmという随分早い段階から、ボーネンが先頭に立って集団を牽引する。

これに喰らいつかんとするFDJ、ボーラ・ハンスグローエ、あるいはサンウェブ・・・しかしその足は確実に削られていったことだろう。

 

そして残り4km地点で、大規模な集団落車が発生。

プロトンの割と前の方で起きてしまったこの落車によって、優勝候補のフルーネヴェーヘン含むロットNLユンボのメンバーの大半が巻き込まれてしまう。

アンドレ・グライペルもこの影響を受けたのか、最後の集団スプリントに参加するよりも先に後方に下がってしまった。

 

 

そして決戦のとき。

勝者は当然、この人――マルセル・キッテル

2012年以来、病気で欠場を余儀なくされた2015年度以外のすべての年度で勝利を獲得している。

最もシュヘルデプライスに愛されている男、それがこのキッテルだ。

 

そして間違いなくこの勝利の立役者となったのが、クイックステップのチームとしての力であった。

ボーネンの全力の牽引は前述した通り。

重要なアシストであるファビオ・サバティーニを先の落車で失っていたにも関わらず、最終発射台役を務めたマッテオ・トレンティンが、キッテルにとって最も良いタイミングになるギリギリまで全力で前を牽き続けてくれたおかげだった。

そのため、2位となってしまったエリア・ヴィヴィアーニ(スカイ)も良い走りをしていたのだが、最高速度でゴールに飛び込むキッテルの前に出ることは叶わず。

勝利数ランキング圧巻の第1位を突き進むクイックステップの「最強ぶり」を見事に発揮してくれた勝利であった。

 

 

さて、いよいよ舞台は週末のルーベに移る。

果たして、ここまで絶好調のクイックステップは、トム・ボーネンに有終の美を飾らせることができるのか?

 

個人的に悔やまれるのは自分が、この週末は遠い南の島に旅に出ることで、パリ~ルーベをリアルタイムで見ることができなさそう、ということである。

帰ってくるのは来週後半となるため、おそらくそれまでは記事の更新はほぼないかと思われます。