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ジロ・ディタリア2017 出場チームプレビュウ(ステージ優勝狙い)

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ジロ・ディタリア注目チームプレビュウ第3弾。今回はスプリンター中心の「ステージ優勝争い」編。中には総合も狙っているチームもいるがご愛敬。表彰台は厳しそうだしなぁ。。。

 

 

 

 

 

 

Lotto Soudal ロット・ソウダル

年齢を重ねる毎に強くなるゴリラことグライペル率いる重戦車チーム。今年はライバルのキッテル不在で5勝はイケるんじゃないか? ウェレンスなどもおらずグライペルのスプリントに完全に寄せてきた面子であることも期待を呼ぶ。

とはいえユワンやガヴィリアなど若手の台頭も著しくそう簡単にはいかないだろう。そもそもグライペルが最後までいるとは思わないし。グライペル帰ったあとどうするの?

 

 

アンドレ・グライペル(ドイツ、34歳)

昨年はオランダでキッテルにいいようにやられてやっぱりダメかなぁと思っていたらイタリア本土に入ってからあれよあれよと3勝を重ねた。で、さらっとリタイアして残されたニッツォーロがポイント賞を拾う、みたいな。

ジロ(とくに本土)のようなスプリントステージなんだけどゴール前にちょっと起伏があったり登ったりするような厭らしいレイアウトを得意とする。また、意外と集団の中での位置取りが巧み。アシストがうまく活かせないような混戦乱戦でも勝ったりする。器用なゴリラ。

クラシックなどでは謎の飛び出しも多い。昨年のモンヴァントゥーでも逃げていたし、今年はパリ~ルーベでついに7位。もしかしたら今大会でも、スプリント以外でも活躍する可能性が?

 

 

マキシム・モンフォール(ベルギー、34歳)

ラルスティン・バク(デンマーク、37歳)

バルト・デクレルク(ベルギー、30歳)

赤ロットベテランの山でも登れる要員。逃げでもよく見るが、それが実ることは少ない。デクレルクなんかは総合力も結構高いんだけどね。

 

 

トーマス・マルチンスキー(ポーランド、33歳)

かつてヴァカンソレイユ、それからCCCを経験してきたベテランで、こちらも比較的登れる選手。2年前はコンチネンタルチーム所属で、そこでポーランドロード王者になった。

 

 

ショーン・ドゥビー(ベルギー、25歳)

ジャスパー・デブイスト(ベルギー、23歳)

モレノ・ホフラント(オランダ、25歳)

こちらは若手でスプリント力の高い面子。グライペル発射台が主な仕事になるか。逃げでもよく見る。

 

 

アダム・ハンセン(オーストラリア、35歳)

言わずとしれた、グランツール連続出場記録更新中の鉄人。それでいてスプリントのアシストしたり飛び出して逃げ切りを狙ったりといろいろ仕事をするので本当に凄い。

2年前くらいかな。散歩と称してヒマラヤに登ったと聞いたときは本当にこの人、人間か、と思った記憶も。

 

 

 

 

ORICA-Scott オリカ・スコット

アダムを総合エースに据えつつユワンでスプリント勝利も狙っていく。発射台役、平坦牽引役、山岳牽引役とバランスの取れた布陣ではあるのだが、中途半端感も否めない。2人以外でのステージ勝利も狙える才能が揃っているとも言える。

 

 

アダム・イェーツ(イギリス、24歳)

双子の1人で昨年ツールで新人賞を獲った方。

昔から期待されていて、期待されるだけで終わるかな、なんて思っていたら昨年大ブレイク。凄い。

サイモンと違ってこっちはまだグランツール未勝利。新人賞を狙いはするだろうが、ステージ優勝も狙っていきたい。

 

 

カレブ・ユワン(オーストラリア、22歳)

2015年ブエルタサガンとデゲンコルブを打ち破り勝利。ダウンアンダーでは今年、(クリテリウム含め)7戦中5勝という偉業を成し遂げた。

昨年ジロはキッテルやグライペルに歯が立たず最高2位で終わる。今年は昨年以上のパワーアップも見せているので、期待したいところだ。

ちなみにこの選手は「超低空飛行で風の抵抗を極限にまで抑える走法により、先に飛び出して追随を許さない」という先手必勝法を持つ。先日のツール・ド・ヨークシャーでは、これに対抗すべくフルーネヴェーヘンが先駆けによって勝利を掴んだ。ユワン自体も飛び出しが遅れた感があったので、今大会で勝利を掴むためにも、タイミングのいい飛び出しを狙いたいところ。

 

 

アレクサンダー・エドモンドソン(オーストラリア、23歳)

スプリンター/ルーラー。元トラック世界王者。ロマンディでは4位が2回。独走力も高くプロローグでは3位だった。

 

 

クリストファー・ユールイェンセン(デンマーク、27歳)

ルーラー。昨年ジャパンカップで2位。そして今年はストラーデ・ビアンケで粘り強い走りを見せて7位。クラシカルなステージで逃げを見せてくれるかも。

 

 

ルカ・メスゲッツ(スロベニア、28歳)

スプリンター。2年前まではジャイアントに所属しキッテルの発射台役を務めた。今はユワンの発射台役。実はジロではブアニやニッツォーロを退けて1勝したことがある。

 

 

マイケル・ヘップバーン(オーストラリア、25歳)

ルーラー。チャベスが総合優勝した年のラヴニールで2勝。元オセアニア大陸選手権ITT王者。

 

 

スヴェイン・タフト(カナダ、39歳)

TTスぺシャリスト。プロ勝利10のうち7がタイムトライアル勝利。今回の第1ステージもそうだったが、スプリンター勝利を狙うべき平坦ステージでの重要な集団牽引を黙々と引き受ける。2014年のジロでは、彼の誕生日でもあった初日のチームタイムトライアルで、彼の献身に応えるかのようにチームがリーダージャージをプレゼントした。感動的な光景だった。

 

 

ルーベン・プラサ(スペイン、37歳)

クライマー。2015年ツールでサガンの下り猛追を振り切って勝利を果たした男。次のブエルタでも勝利を掴み、昨年のジロでもクイーンステージで逃げに乗って3大GT連続勝利か!?と期待されたものの叶わなかった。

今回もアダムのアシストをしつつ、山での逃げに期待したい。

 

 

カルロス・ヴェローナ(スペイン、24歳)

クライマー。元々はクイックステップ所属だったが昨年夏に移籍。今大会数少ない山岳アシスト。

 

 

 

 

Quick-Step Floors クイックステップ・フロアーズ

去年も年間50勝と凄まじかったが、今年もすでに24勝。ただしそのうちの7勝を稼いでいるキッテルが今回は不在。あれか、イタリア本土では勝てない彼が、今年はイタリアスタートだからって参加を拒んだのか。代わりにガヴィリアがエーススプリンター。こっちも4勝と調子がいい。

昨年はボブ・ユンゲルスの新人賞と、ブランビッラの勝利及びマリア・ローザ着用。さらにはブランビッラとのコンビネーションを活かしたトレンティンの勝利など、スプリント以外でも絶好調だった。だがこのブランビッラ&トレンティンのイタリアンコンビも今回欠場。よりスプリントに注力した面子の分、ユンゲルスには「1人で頑張ってね~」的な感じか? がんばれ。

ちなみにスプリントではユワンとガヴィリア。新人賞ではアダムとユンゲルスと、この2チームは面白いライバル関係にあると言える。

 

 

ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、24歳)

昨年は一時マリア・ローザを着用したうえで最終的に総合6位。新人賞獲得。

元々独走力は非常に高かったのだが、登りでも意外なほどに持ちこたえることができた。今年も新人賞を狙う。

 

 

フェルナンド・ガヴィリア(コロンビア、22歳)

元トラック王者。かつてカヴェンディッシュに勝った!と騒がれた後、ユワンに勝つわ、今年はグライペルにも勝つわサガンに勝つわで着々と実績を伸ばしている。

今回はついにグランツールデビュー。しかもエーススプリンターとして。アシストも豊富でお膳立ては揃っているのでここはしっかりと期待に応えたい。

手首にキスする独特の勝利ポーズが格好いい。

 

 

アリエルマクシミリアーノ・リケーゼ(アルゼンチン、34歳)

年初、母国アルゼンチンのレースで2勝。好調のまま迎えたシーズンで今年はガヴィリアを全面的にアシストする予定。

 

 

イーリョ・ケイセ(ベルギー、34歳)

バリバリの逃げ屋。2015年のジロでは最終日にまさかの逃げ切り勝利をしたくらいの逃げスペシャリスト。最近はなりをひそめている? 今大会は期待したい。最終日がITTになっちゃったからな~。

 

 

エロス・カペッキ(イタリア、30歳)

2014年ジロではモビスターの一員としてキンタナの総合優勝を支え、昨年はアスタナの一員としてニバリの総合優勝を支えた。6年前のリクイガス時代にジロで勝利もしている。

 

 

ドリース・デヴェニエンス(ベルギー、33歳)

ピーター・シェリー(ベルギー、28歳)

ローレンス・デプルス(ベルギー、21歳)

ベルギーのベテラン~若手トリオ。起伏多めのステージに適性あり。

 

 

ダヴィデ・マルティネッリ(イタリア、21歳)

昨年ポーランド1周レースで一瞬の隙を突いた逃げ切り勝利を見せた。この勝負勘の鋭さがグランツールでも発揮できるか。基本はガヴィリアの発射台かな。

 

 

 

 

UAE Team Emirates UAEチーム・エミレーツ

元ランプレ。よって、そのときのマインドが残っていれば、ツール以上に力を入れるはずなのがこのジロだ。昨年は2勝。一昨年は4勝。そのうちの3勝を記録したディエゴ・ウリッシは今年は不在。2勝を記録したサッシャ・モドロは健在。

さらに今年はルイ・コスタが調子がいい。昨年もツールで惜しいところまで行ったし、このジロでは期待したい。総合・・・は厳しいかもしれないけれど。

 

 

ルイ・コスタ(ポルトガル、30歳)

サン・フアン1勝。さらにはアブダビツアーでジャベルハフィートを制し、そのまま総合優勝。スポンサーに最高のアピールができた。

昨年ツールのクイーンステージでも惜しいところまで行き、2013~2014年頃の最盛期のコンディションが戻りつつある? 今大会も期待したいが、総合を狙うべきかステージを狙うべきかは悩ましいところ。

 

 

サッシャ・モドロ(イタリア、29歳)

2年前のジロで区間2勝。今年もクロアチアで2勝を飾っている。ニッツォーロの天敵。多少の起伏はものともしないパワーが相性いいのかもしれない。ウリッシ不在の今大会、チーム最大の稼ぎ頭として期待されているはず。

 

 

ロベルト・フェラーリ(イタリア、34歳)

スプリンター。モドロの発射台役を務める。

 

 

マルコ・マルカート(イタリア、33歳)

ルーラー。昨年と一昨年はワンティで活躍。勝利は少ないが、縁の下の力持ち的な存在でよく見かけはする。

 

 

ヴァレリオ・コンティ(イタリア、24歳)

シモーネ・ペティッリ(イタリア、24歳)

ヤン・ポランチ(スロベニア、24歳) 

エドワルド・ラヴァージ(イタリア、22歳)

マテイ・モホリッチ(イタリア、22歳)

若手5人組。山でも走れるルーラー/オールラウンダーたちで、とくにコンティはブエルタで、ポランチはジロで区間勝利を果たしている。今回も逃げに期待。

モホリッチはU23世界チャンピオンで、キャノンデール時代は平坦牽引でも存在感を示していた印象。

 

 

 

 

Cannondale-Drapac キャノンデール・ドラパック

ローラン、ドンブロウスキー、実力はあるんだけどなかなか結果を出せずにいる選手たちが揃う。今回も総合は正直期待はできないが、自由に飛び出して勝利を狙うことは十分できそうな面子が揃う。中途半端はやめて、しっかりと結果をもっていきたい。

若手が揃っているのも特徴。とくにフォルモロとカーシーは実績も出ている新人賞候補。

 

 

ピエール・ローラン(フランス、30歳)

かつてグランツールの総合上位を期待されたフランス人。しかし年々調子が悪くなっていき・・・今ではステージ勝利もままならない。

今年は総合ではなくステージ勝利を重点的に狙っていくと言っていたような気がする。実際、その方が本人には向いているように思う。あるいは、山岳賞狙いとかね。

 

 

ジョー・ドンブロウスキー(アメリカ、25歳)

この人物も、期待されながらもイマイチ・・・な印象のあった選手。山ではよく逃げるんだけれど、勝利にはなかなか届かない。

 

 

ダヴィデ・フォルモロ(イタリア、24歳)

昨年ブエルタで総合9位。今回のジロにおいても、新人賞候補の1人言って問題ないだろう。

 

 

クリスティアン・コレン(スロベニア、30歳)

ツール・ド・フランス7回連続出場。ジロは今回が初参加。

 

 

マイケル・ウッズ(カナダ、30歳)

短めのステージレースの山岳でよく頑張ってる姿を見る。グランツールは今回初挑戦。山で存在感を示せるか、

 

 

アレックス・ハウズ(アメリカ、29歳)

今年のバスク1周で積極的に逃げ山岳賞を獲得。よく逃げるのは見るが実ることのほとんどない選手・・・キャノデはそういう人ばかりだね。 

 

 

トムイェルト・スラフテル(オランダ、27歳)

3年前のパリ~ニースで区間2勝。急坂などにも強いパンチャー。ダウンアンダー総合優勝経験もあり。ジロらしい厳しいコースには相性がいいタイプだとは思う。

 

 

ダヴィデ・ヴィレッラ(イタリア、25歳)

昨年ブエルタでタランスキーを支えたクライマー。

 

 

ヒュー・カーシー(イギリス、22歳)

先日のアルプスでは良い走りを見せ、一時はイーガンアルリーベルナルを越えて新人賞首位に立った時も。最後にはクイーンステージで遅れてしまい逃したが、今後が楽しみな選手だ。

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