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りんぐすらいど

ロードレース関連の記事が中心。https://twitter.com/SuzuTamaki

ジロ・ディタリア2017 第10ステージ

総合争いに非常に重要な意味をもつ39.8kmの個人タイムトライアル。

完全な平坦ではないが、クライマーに有利になるほど起伏があるわけでもないレイアウト。

結果は、以下の通りとなった。

※11位以降は各チームの総合エースを抜粋。

※総合上位5名を黄色で強調している。

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事前の予想通り、トム・デュムランが最強ぶりを示した。

走るその姿を後方から見ると頭が完全にお尻で隠れてしまうほどの超低空姿勢。空気抵抗を極限まで減らしたそのTTスタイルによって、誰も追随できないほどの記録を叩き出した。あと登りでもTTスタイルで登っていたような気がする・・・本当すごい。

ここ最近のデュムランは以前にも増して安定しているように感じる。以前のデュムランは、確かに強いけれどもカンチェラーラトニー・マルティンには一歩及ぼない、そんな印象を持っていた。だが、今の彼であればもしかしたら・・・と思わなくもない。たとえば昨年のオリンピックだって、直前のツールで怪我をしていなければもしかしたら・・・など。

デュムランは今年のツールは出場するのだろうか? もしするのであれば、初日タイムトライアルでの、マルティンとの一騎打ちをぜひ見てみたい。

 

 

ゲラント・トーマスは今年のジロ、総合優勝も十分に考えられる、と思っていた。登りではキンタナには敵わないまでも、タイムトライアルで十分、挽回しうると。彼は決してタイムトライアルスペシャリストではないし、タイムトライアルによる勝利が多いわけではない。にも関わらずそう感じていた。ティレーノ~アドリアティコでも調子が良かったこともあって。

その予想がまったく間違っていなかったことを、今日この日のレースの彼の走りで証明された。だからこそ、第9ステージでの落車は本当に勿体ない。だがそれは、言っても仕方のないことだ。とにかくこの日、彼が今後も総合エースとして走る資格があることを証明してくれたと、思うほかないだろう。

 

 

ボブ・ユンゲルスも期待以上の走りをしてくれた。

いや、もちろん彼がTTを得意にしていることはわかってはいたが、ここまでとは。

新人賞奪還において最も重要なこの局面で、その力を出し切った結果となった。今後はITTでのステージ優勝も期待できる選手となってくれた。

フォルモロが大きく失速したこともあり、現在、新人賞ランキングでは2位のフォルモロに対して2分23秒差をつけて大きくリードできている。もちろん山岳ステージで再びフォルモロに詰められてしまう可能性もあるが、最終日のTTの存在もあり、新人賞2年連続獲得に向けて大きな一手を打てたように思う。

 

 

ヴィンツェンツォ・ニバリは悪くない結果となった。もちろん、TTは決して苦手ではない選手だと思うので、もう少し、デュムランとのタイム差が少なければより良くはあったが、大きな失敗がなかったことにまずは一安心である。

しかし、総合優勝は厳しいというのが本音だ。昨年のクライスヴァイクやチャベスのように明らかにニバリよりも一段劣る選手たちを相手にしているわけではなく、対等以上の存在であるキンタナを相手にすると、いくら3週目が強いとは言っても・・・。

まずは総合表彰台を確保できるかどうか。とにかく悪くない結果だった。

 

 

バウケ・モレマも「TTが強い」という評判に相応しい結果だったと言えるだろう。デュムランたちと比べるのは酷というものだ。こちらも総合優勝は厳しいかもしれないが、表彰台は十分狙える位置にいるだろう。

 

 

ティボー・ピノは、決して悪くなかった、と思っている人も多いと思うが、やはり昨年に見せてくれた可能性のことを考えるともっと頑張ってほしかった・・・という印象。ただ第9ステージの登りでは十分驚くべき走りを見せてくれたので、これ以上は要求し過ぎないようにしよう。少なくともタイムを落とした、とは言えない結果だったので。

 

 

そしてナイロ・キンタナ。TTでタイムを落とすことは覚悟していたが、ここまでとは。いくらなんでもこれは、「調子が悪かった」と言ってもいいのではないだろうか。あるいはデュムランが強すぎるのか? もちろんそれもあるだろうが、しかし・・・。

だがこれで、一観戦者としては「非常に面白くなった」。こうなると、最終ステージのTTでも、2分以上タイム差がつく可能性は十分にある。あちらも30kmほどあるのと、今日以上に平坦だからだ。

よって、キンタナは今、デュムランに対して4分23秒差つけられていると考えていい。

山でこれをデュムランから奪い取れるのか?

今後、山頂フィニッシュステージ(&クイーンステージ)としては第14・第16・第17・第18・第19ステージが残されている。ただ第14ステージのオローパはブロックハウスと同様に「ワンポイント」の山岳であり、ペース走行を得意とするデュムランにとっては苦手とは言えないステージだ。また第17ステージも比較的緩めな登りである。

この2つの山岳では合わせても1分も引き離すことは難しいだろう。クイーンステージの第16ステージや同じくらい厳しい第18ステージで、合計して4分ほどのタイム差をデュムランからつけられるかどうか。

 

もう本当にわからない。

最終日まで間違いなく白熱する、最高のジロ・ディタリアとなりそうだ。

 

 

 

 

ちなみにティージェイ・・・

落車して調子不十分だったランダにすら負けるとか・・・

 

 

今日の勝利で、2週目が終わるまでこのジャージを着続けることもできそうなデュムラン。今年こそ、グランツール総合優勝を達成できるか?