りんぐすらいど

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ハンマーシリーズ スポートゾーン・リンブルフ2017 第3ステージ ハンマーチェイス

The・カオス!

 

ハンマーシリーズ第1戦「スポートゾーン・リンブルフ」第3戦は、前日のスプリントと同じシッタート・ヘレーンで開催された、14.9km×3周のチームTT方式の追いかけっこ「ハンマーチェイス」。

まず開催直前の段階で、前日に発表されたスタート順とは異なるスタート順が発表され、新たな方式のレースに主催者含め混乱した中で進んでいることを窺わせた。

 

結果、チーム・スカイが最初の出走チームとなり、そこからおよそ30秒程度遅れてチーム・サンウェブが続くことに。

これではスカイの圧勝になるかな・・・と思えばそんなことはなく。

デュムラン不在のサンウェブ(しかも6人しか登録していなかったがゆえにほぼ全員が既に2日間を走っており疲労が溜まっているはずの)が予想以上に良い走りをし、一方のスカイはカリフォルニアITTで勝利したばかりのジョナサン・ディヴェンがまさかの早期脱落。

残り3.5kmほどの地点でついにサンウェブがスカイを追い抜く。最初の30秒のタイム差を埋めたわけだから、驚嘆に値する。

 

だがさすがのスカイ。この後もしっかりとサンウェブを捉えたまま離さず(ドラフティングに引っかからないように多少の隙間を空けつつ)最終コーナー直前、残り500mのラインでサンウェブに並んだ!

その後、サンウェブは(おそらく)レナード・ケムナが独りで先行してしまい、後続の3人(シンケルダム、ワイテンス、ワルシャイド)と離れてしまう。スカイの選手がすぐさまその間を埋める!

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そして最終コーナーを右に曲がり、ラストのストレートに。

スカイ、圧倒的有利、かに思われた。しかし・・・

 

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タオ・ゲオゲガンハート、遅れる!

 

今回のレースは「4人目」のゴールがそのチームのゴールとみなされる。スカイにとっての「4人目」がこのタオであり、彼がサンウェブの残り3人よりも遅くゴールしてしまえば、スカイは敗けてしまうことになる。

 

 

これを好機とばかりに、加速するサンウェブの3人。

しかしタオも、ここで負けるわけにはいかない。死に物狂いでペダルを回し、そして——

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誰よりも早く、ガッツポーズをするタオ。

(冒頭の画像がそれを前から見たものである)

 

そりゃそうだ。前の3人は、自分たちのゴールでチームが勝ったのかはわからないのだから。タオだけが、勝利を判定することができる。

空撮のカメラも、先頭の3人はまったく映さず、この「4人目」のタオだけを映していた。ロードレースとして、かなり新鮮な映像(笑)。

 

もう、何から何まで新しすぎて、異様で、実況解説も興奮状態だったが、見てるこっちも(そしてリアルタイムで視聴していたTwitterのタイムラインも)爆笑状態でレースを見る、という経験をすることとなった。

 

 

正直、レースの完成度はまだまだ80%にも達していないのだとは思う。ドラフティング禁止というルールは徹底されることなく、むしろ徹底することなど不可能な状態で、1日目・2日目のポイント配分やルールも適性だったのかどうかは議論が待たれることだろう。

 

しかし、観る側にとっても、やる側にとっても新鮮なことばかりだったこのレースは、選手たち自身も経験したことのないような興奮の中で、彼らなりに楽しみ、達成感を得ることのできるレースだったよう、ではある(もちろん、負けた側は色々と不満もあるだろうが・・・)

改善点・反省点も多々ある中で、新しい刺激と視点をもたらしてくれた、この「選手主導のレース」がひとまずは成功(?)のもと幕を閉じたのはよかったと思う。

 

伝統的な、完成度の高い種々のレースをメインに据えながら、こういった新しい試みがより洗練された形で今後も発展していくことを願う。

 

そして、それらが完成された暁には、第一回となった今回のレースを顛末を、また笑い話の一環として振り返ることができたらそれはきっと幸せなことなんだろう。

 

とりあえず、面白かった! 選手たち、主催者、Jsportsの実況の方々、お疲れ様。そしてありがとう!