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ツール・ド・フランス2017 コースプレビュー(2週目)

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第12ステージのゴールとなるペイラギュード。12年ツール、13年ブエルタで登場したこの山は、常に霧で覆われているイメージだ。

 

2017年ツールのプロトンは、いよいよ2週目に突入する。

ピレネー中央山塊が待ち受ける、厳しさと変化に富んだラインナップだ。

目玉となるのは今大会2度目の山頂ゴールとなるペイルギュードのステージと、そして100km超短距離山岳ステージの存在だ。

 

例年に比べて、この第2週で総合争いが決定的になる、というほどの破壊力をもっているわけではないが、それでも気を抜けない展開が多く待ち構えていそうである。

 

↓第1週目のプレビューはこちら↓

suzutamaki.hatenablog.com

 

 

 

第10ステージ ペリグー~ベルジュラック 178km(平坦)

3ステージぶりのピュアスプリントステージ。ボルドー地方を駆け巡るステージとなり、ゴール地点のベルジュラックもやはりワインで有名。葡萄畑が映ることもあるかもしれない。

休息日明けで厳しいコースでないだけマシだが、こういうステージでは魔が潜むことも。落車などに気をつけたい。

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第11ステージ エイメ~ポー 203.5km(平坦)

フレンチ・ピレネーでは定番となるポーの街にゴールする平坦ステージ。ラストは下り基調が続くため、ハイスピードでのトレイン合戦が見られるかもしれない。

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第12ステージ ポー~ペイラギュード 214.5km(上級山岳)

今大会2度目の山頂フィニッシュは、2012年大会の最後の山岳ステージでバルベルデ勝利したペイラギュード。2012年大会以来2回目の登場となる。

これ自体は2級山岳(以前は1級山岳)なのだが、直前に超級バレス峠と1級ペイルスルド峠がセットとなるため、単純な個人の力だけでなく、チーム力が重要になるステージと言える。とくにこの時点で総合で遅れている選手がいれば、ペイルスルドからの積極的な攻撃が見られることだろう。

なお、2013年のブエルタでもラストがほぼ同じレイアウトで登場しており、そのときはアレクサンドル・ジェニエが勝利している。

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5年前のペイラギュードでは、フルームとウィギンスのコンビが、総合1位・2位を決定付けた。 

 

 

第13ステージ サン・ジロン~フォワ 101km(上級山岳)

2016年は短距離ステージが流行した。ジロの第16ステージ、そしてブエルタの第15ステージ。いずれも、ハイスピードで掟破りの展開が巻き起こり、総合争いに大きな影響を及ぼした。ブエルタに至っては、このステージがなければ総合優勝はフルームの手に渡っていただろう、というレベルである。

だから、というわけではないとは思うが、今年のツールも短距離ステージを取り入れた。しかも、ジロの130km、ブエルタの110kmよりもさらに短い100km。

先2つのステージと違って山頂ゴールではないものの、1級山岳が3つ。

しかも最後の1級山岳ミュール・ド・ペゲールは、ラスト3kmの平均勾配が12%、最大勾配18%という頭オカシイ代物。なにせ「峠(Col)」でなく「壁(Mur)」だもんなぁ。

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よって、レース展開としては、激坂もイケるアタッカーたちの攻撃と、そこからのハイスピードダウンヒルによる逃げ切り狙い、という展開になりそう。距離が短いので体力が残っている追走集団との追いかけっこは、実に見所がありそうで楽しみだ。いかに厳しい登り、ダウンヒルといえども、山頂から30kmも残っているとどうなるか予想がつかない。

ジロでは大量のタイムアウトも生み出しかけた短距離ステージ。このステージでは長いダウンヒルと平坦のおかげでリカバリーも効くかもしれないが、その点でも気を付けていきたいところ。ジロよりもルールに厳格な気がするのがツールなので・・・。

あとは、ツールのピレネーステージは天候に恵まれないことも多いイメージなので、雨のダウンヒルで大きな落車とかが起きないことを願っている。

毎年、何らかの「事件」で盛り上がってしまうのは本意ではないので。

 

 

第14ステージ ブラニャック~ロデス 181.5km(中級山岳)

2年前のツールで、ヴァンアーヴェルマートがサガンを差して勝利したのと同じフィニッシュ。確か、ティンコフさんがテレビ壊したのってこのステージだよね?

今回も総合勢の争いは大人しくなるだろうから、ステージ優勝を狙うパンチャーたちによる激しいバトルが見られるはず。サガンvsアーヴェルマートはもちろん、ツール・ド・スイスのベルン登りフィニッシュでサガンとデゲンコルブを下したマイケル・マシューズにも注目が集まりそう。

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2年前のロデスで勝利したヴァンアーヴェルマート。彼にとってのツール初勝利であった。まさかその翌年にマイヨ・ジョーヌを着て、さらにオリンピックで優勝するとは、誰も予想していなかったのではないか。

 

 

第15ステージ レサック・セヴェラック・レグリーズ~ル・ピュイ・アン・ヴレ 189.5km(中級山岳)

今大会4つ目の山岳地帯・中央山塊を駆け巡る。中央山塊はものすごく厳しい山岳があるわけではないけれど、とにかくデコボコで負担のかかるコースレイアウトを提供してくれる。今ステージの目玉となるのは、ラスト40kmから30kmにかけての、1級山岳ペイラ・タイヤド峠

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厳しい山頂からの、30kmのダウンヒルゴールという点は、第13ステージとも似通っているが、第13ステージよりも全体の距離は短く、そして第2週のラストステージということで、より劇的な展開が生まれる可能性も。総合勢でも大きな動きが生まれかねないので、気が抜けない終盤戦となりそうだ。

 

ちなみにこういうレイアウトのステージでは、ほぼ確実にサガンが逃げる。

こういうステージでサガンを逃せば、マイヨ・ヴェールは彼の手に渡ることになるだろう。

もしも彼からマイヨ・ヴェールを奪い取りたい選手がいるのであれば、ここで動かざるをえないだろう。