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ツール・ド・フランス2017 第1ステージ

2017年ツール・ド・フランスの初日は、ドイツ・デュッセルドルフで行われた14kmの個人タイムトライアル。

 

当日の天気は生憎の雨。非常にスリッピーな路面で、翌日のスプリントステージでも活躍が期待されていたディラン・フルーネヴェーヘンや、ツアー・オブ・カリフォルニア総合優勝を果たし今回のツールも総合を狙える選手の1人と目されていたジョージ・ベネット(いずれもチーム・ロットNLユンボ)などが落車し、タイムを落とす結果に。

雨の中を走る、ロットNLユンボのヨス・ファンエムデン。ジロ最終ステージでデュムランを破り優勝した彼も、今日は15秒遅れの8位となった。

 

 

そんな中、起きてほしくない事態も。モビスター・チームのセカンドエースとして、ナイロ・キンタナを支える役割を担うはずだったアレハンドロ・バルベルデが、やはり同じポイントで落車。そのまま路面を滑り、コース脇の柵に激突してしまった彼は、その後も起き上がることができず、病院に搬送されリタイアとなってしまった。

 

今年、2月以降の各種ステージレースで次々と総合優勝を果たし、春のクラシックレースでも絶好調ぶりを見せていたバルベルデ

ジロ明けのキンタナを支え、他チームを攪乱する役割を果たすはずだった彼を失うことは、モビスターにとっても、戦略的に大きな痛手になることは間違いない。

ただでさえアナコナがおらず、強力な登りアシストとしてはあとはアマドールを残すくらいのモビスター。そんなアマドールもジロ明けである。

こんな状態では、山岳でもキンタナは守勢に回らざるを得ず、決定的な一撃を加えるのが難しくなるかもしれない。

 

そしてバルベルデ。今回のツールはキンタナのアシストに徹するとしても、ブエルタではエースとして総合優勝を狙っていくことも十分に可能だったのではないかと思われていただけに、残念。長引かなければいいが、どうか。今はとにかく、治療に全力を尽くしてほしい。

 

辛い出来事だが、これもレース。これもツール・ド・フランスなのだ。

 

 

 

 

そんなアクシデントがありつつも、本日の結果は以下の通り。

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ジロのTTの絶好調ぶりをそのまま引き継いで、マルティンもキリエンカも差し置いてゲラント・トーマスが優勝。これは驚きの結果だった。

かくしてマイヨ・ジョーヌも手に入れたトーマス。ゴール後のインタビューでは、あくまでもフルームの総合を支えることが第一と話すトーマス。その言葉に嘘はないだろうが、栗村さんの言う通り、フルームに何かがあったときのための保険として、今後も総合を意識した走りを見せることは間違いないだろう。

そして今年は、フルームがドーフィネで勝てなかった年。考えたくはないが、その「何か」は十分に起こりうるのだ。

マイヨ・ジョーヌはもちろん、グランツールでのステージ勝利自体も初だったというトーマス。元オリンピック金メダリスト(団体追抜)としてウィギンスらと共に培ってきたその独走力が発揮された形だ。

 

 

ちなみに、いわゆる総合勢のみをピックアップしてリスト化したのが以下の表。基準をフルームに置いてある。

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こうやって見てみると、いかにフルームが圧倒的だったかがよくわかる。

ヘーシンクは正直、最後の最後まで総合上位にいるとは思えないので、ポートやキンタナ、バルデといった総合の最重要ライバルたちと、30秒以上のタイム差をつけたことになる。彼ら自体がほぼ団子だっただけに、この差は衝撃的だ。

 

とはいえ、やはり30秒。まだ30秒でしかない。残る個人TTは22.5km。昨年の個人TTでフルームによって生み出されてしまった2分以上のタイム差を考えると、まだまだ傷は浅い方である。

あとはしっかりと、山岳でフルームを打ち砕く走りを見せられればいい。その可能性をドーフィネで見ることはできている。

 

ただ、ここまで個人TTでリードを築くことができていたポートが、この日差をつけられてしまったのは痛い。

それでも、他の総合勢よりはいいタイムではあるんだけどね・・・。

47秒遅れの48位。フルームからは35秒のタイム差がつけられてしまった。とはいえ、安全重視で走ったこと自体は正しい選択だったように思う。それでこのタイムであれば、十分だろう。

 

 

そして気になるのが、チャベスの大失速。致命的なタイム差ではまったくないが、今回のツール、やはり総合を狙うことはないのだろうか。

 

 

新人賞における注目選手たちも出してみた。フランスTTチャンピオンのラトゥールが良いタイム(25秒遅れの17位)を出していたので、それを基準にしている。

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このメンバーの中で昨年最もよい総合順位だったメインチェスが、47秒遅れと失速。これだけなら山で十分に挽回可能だが、第20ステージのTTでも、同じくタイムを落とす可能性があるということでもあるので、それまでに可能な限りタイムを稼いでおきたいところ。

 

 

 

いずれにしても、最悪なコンディションの下で開催された、2017年のツール・ド・フランス

やはり、今年も一筋縄ではいかなそうな気がする。