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ブエルタ・ア・エスパーニャ2017 コースプレビュー2週目

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ブエルタ2017の2週目はスペイン南部ムルシア・アンダルシアの2州を走る。

荒涼とした大地と、シエラネバダの厳しい山岳。全6ステージ中3ステージが山頂ゴールということで、総合争いが激化することは間違いない。

 

誰が脱落し、誰が表彰台候補として残りうるのか。

注目の第2週のコースをプレビュウしていく。

 

 

↓第1週のコースプレビューはこちら↓

suzutamaki.hatenablog.com

 

 

 

第10ステージ カラバカ・フビラル〜エルポソ・アリメンタシオン 171km

第2週はバルベルデやランダなど有力な自転車選手を輩出しているムルシア州でスタートする。ゴツゴツとした山岳や乾燥した気候が特徴、というイメージ。

休息日明けは無理せずゆったりと平坦ステージを・・・なんてことはブエルタでは許されない。いきなりゴール前20km地点を山頂とする3級&1級の山岳コンボ。標高差は1000mを超える。

そしてラスト20kmも平坦ではなく長いダウンヒルが続く。逃げ切りが決まる可能性が高いとは思うが、休息日明けで体調を崩した総合系選手が山岳で脱落する危険性もあるため、気は抜けない。

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最後の1級山岳のプロフィール。突出した激坂ポイントがあるわけではないが、平均して厳しい勾配が長く続くので、体調を崩した選手は容易に置いていかれるだろう。

 

 

第11ステージ ロルカ〜オブセルバトリオ・アストロノミコ・デ・カラル・アルト 188km

ムルシア州の海岸沿いを走り、そこから内陸に入り込み1級山岳山頂ゴール。しかも1級は2つ。大きな総合争いの巻き起こるステージとなるだろう。

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最後の1級山岳は登り始めが非常に厳しく、中盤から後半にかけてはほぼ平坦な区間を挟む。ラスト3kmを切ってから再び厳しい登りをこなしたのちに、ラスト1.5kmはまた平坦となってゴール。

誰か強い選手が単独で勝利を奪う、というよりは、今大会総合上位を狙える選手たちだけが残っての小集団スプリントが見られるかもしれない。

 

 

第12ステージ モトリル〜アンテクエラ 161.4km

スペインの南端、アンダルシア州を走る。前半戦はその海岸線。後半は内陸に入っていき、山岳ポイントも2つ用意されているが、ブエルタとしてはそこまで厳しくはないので、ラストは集団スプリントになる可能性も十分ある。あるいは逃げ切り。

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アンテクエラはグラナダやセビリャと比べると知名度は低いが、写真をみるといつもペナ・デ・イオス・エナモラドスという小さな山が映り込んでいる。この地域の象徴となっていそうな山だ。

山の形を縦にすると人の横顔に見えることから「ムーア人の横顔」とも呼ばれているらしい。映像でも映ってくれるだろう。 

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この地域は葡萄畑も広がっている。これも見所の1つとなるだろう。

 

 

第13ステージ コイン〜トマレス 197km

アンダルシア州の州都セビリャの近郊に位置する街トマレスにゴールする平坦ステージ。ラストは集団スプリントに・・・と思いきや、やや登っているようにも見える。詳細なフィニッシュ地点の断面図を見ようと思ったが、公式HPもスペインクオリティを発揮しているようで、なぜかこの日のステージが超級山岳扱い(!)になっている断面図しかなかったので、詳細は不明。第2週はスプリンターたちの出番にならない可能性も。

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第14ステージ エシハ〜シエラ・デ・ラ・パンデラ 185.5km

第2週のクライマックスは、スペイン南部の山岳地帯で繰り広げられる。1日目は、細かいアップダウンはあるものの平坦基調のコースが大半で、ラスト12kmで880mを登る。

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残り5km地点から9%→13%→11%と厳しい区間が続く。このあたりが見所となるだろう。小集団のままラスト1kmを越えた際は、そこからの下りと登り返しで誰がアタックを仕掛けるか注目したい。

 

 

第15ステージ アルカラ・ラ・レアル〜シエラ・ネバダ 127km

昨年に続き、今年も「短距離山岳ステージ」を用意してきたブエルタ。昨年はコンタドールとキンタナの攻撃によりフルームが大きくタイムを落とし、最終的にキンタナにマイヨ・ロホを明け渡す形となってしまった。

今年はこの短さに加えて超級フィニッシュ。しかも途中の1級山岳も厳しいレイアウトであり、これを2週目の休息日前という最も疲労が蓄積しているであろう時期にぶっこんでくるブエルタ運営の意地の悪さはグランツール随一である(誉め言葉)。

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最初の1級山岳は序盤ゆるやかなアップダウンとなっているが、山頂まで残り7kmの地点で最大勾配22%の「壁」が現れてくる。短いステージで全選手全力で走り抜ける可能性のある今ステージ。ここでの遅れが最後まで残る可能性は十分にある。

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最後の1級山岳と超級山岳は、実際にはほぼ繋がっている。よって、実に28kmにも及ぶ登坂となる。

幸いにも、とくにラスト10kmちょっとの平均勾配はそこまで大きくない。個の力よりも、チームの力が有利になりそうなレイアウト。すなわち、チーム・スカイ、そしてフルームにとって得意となりそうなステージだ。

もちろん、距離の短さと2週目のラストという要素が、想像不可能なイレギュラーを生み出す可能性は十分にある。

 

ちなみにシエラネバダとは「積雪のある山脈」という意味で、スペイン本土で最も高いムラセン山を擁する山岳地帯である。

ブエルタで最も最近に登場したのは2011年だろうか? 第4ステージのフィニッシュ地点となり、そのときは当時カチューシャに所属していたダニエル・モレーノがステージ優勝を飾った。

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翌日の第5ステージも同じカチューシャのホアキン・ロドリゲス勝利し、スペイン人の強さを見せつけた。その年の総合優勝者もスペイン人のコーボであった。

一方、昨年のブエルタはスペイン人勝者がデラクルスの1人のみとかなり寂しい結果に終わっている。若手の台頭も少ないスペイン。危機の脱出のためにも、この日はぜひスペイン人に頑張ってもらいたいものだ。