りんぐすらいど

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ガッツポーズ選手権 写真で振り返る2017年シーズン

2015年の秋、Jsportsで「ガッツポーズ選手権」なるものが行われていた。

1年間のJsports放送レースのガッツポーズ写真を振り返り、会場投票でグランプリを決める、というものだった。

その年のレースの振り返りも同時に行える企画で、個人的に非常に好きなものだった。

だから、2016年も放送を楽しみにしていたのだが・・・残念ながら、行われなかった。

 

 

今年もおそらく、放送はないだろう。

そこで、個人的にこのガッツポーズ選手権を行うことにした。

 

当初はベスト10形式で発表していこうかと思ったが、思ったよりも気に入った写真が多すぎたため、本家ガッツポーズ選手権のようにシーズンの頭から順番に紹介していくことにする。

(投票フォームも設けました! こちらからどうぞ!)

 

 

1.ジョン・デゲンコルブ(ドバイ・ツアー第6ステージ) 

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2016年冒頭の大事故により、左手の人差し指が切断寸前にまで至る重傷を負ったデゲンコルブ。シーズン中の復帰を果たし、勝利も獲得したものの、明らかに本調子ではなかった。

そして新シーズン。5年間在籍していたチームから離れ、移籍を決めたデゲンコルブにとって、初勝利となったのがこのドバイ・ツアーであった。格式的にはHC。それでも、キッテルが得意とするこの中東のステージレースで、デゲンコルブは自らの復活を宣言するかのような勝利を決めた。

結果的にデゲンコルブの今シーズンの勝利は、これ1つだけに終わった。それでも、春のクラシックで上位に入ることを繰り返し、ツール・ド・フランスでも本気の勝負を繰り広げ最高で区間2位に入り込むなど、少しずつ調子を取り戻してきているようにも思う。トレック・セガフレードも3年契約を結んでいるため、気長にその復活を見届けていきたいと思う。

 

 

2.ゲラント・トーマス(ティレーノ~アドリアティコ第2ステージ) 

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ラント・トーマス、魂の叫び。

このときの彼の感情を理解するためには、このステージの前日に起きた「事件」について知っておく必要があるだろう。

 

ティレーノ~アドリアティコ第1ステージ。チームタイムトライアル。順調なペースで走っていたチーム・スカイの隊列が、突如として崩れる。ジャンニ・モズコンの乗っていたバイクのホイールが突然、破損したのだ。
さらに立て続けに、ディエゴ・ローザとミケル・ランダのホイールも崩壊していく。映像で見るとこの事態の異質さがよくわかる。同時期にスカイのGMデイブ・ブレイルスフィールドに関わる問題も報じられており、様々な可能性や憶測を呼び込む事態となっていた。

 

そんなことがあった翌日だからこそ、トーマスには強い思いがあった。本来であれば、自身初のエース待遇としての出場が控えていたジロに向けて、このティレーノ~アドリアティコでは総合優勝を目指していたはずだった。それなのに、初日のトラブルでいきなりその夢を絶たれ、さらにはチームに対しては不快な報道が展開されている・・・。

 

彼は、チームを包み込む暗雲を振り払うような勝利を求めた。

そのために、この第2ステージのラスト4kmで、勇気あるアタックを仕掛けた。そのまま誰に追い付かれることもなく、先頭でゴールラインに到達した彼は、貯め込んだ感情をすべて爆発させたかのような、気迫のこもったガッツポーズを繰り出した。

普段はクールな表情を見せることの多い彼にしては、珍しい姿のようにも思う。

 
今年のトーマスは結局、ジロもツールも不運に見舞われたことで、特別大きな成績を残すことなくシーズンを終えてしまった。それでも、彼がこの日、あるいはツアー・オブ・ジ・アルプスで、あるいはツールの第1ステージで、これまでの彼をさらに超えるような成績を残してくれたのは間違いない。
来年こそは、グランツールでの総合上位争いを演じてくれるはずだ。

 

 

3.ミハウ・クフャトコフスキ(ミラノ~サンレモ) 

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確にはガッツポーズではない。そんな余裕などなかった。

残り5.5kmのポッジョ・ディ・サンレモの山頂から、世界チャンピオンがアタックを仕掛けた。これを読んでいたかの如く反応したのが、クイックステップ・フロアーズのジュリアン・アラフィリップと、チーム・スカイのミハウ・クフャトコフスキだった。

サガンとアラフィリップという2人の下り巧者のコンビネーションによって、トレック・セガフレードなどを中心とした追走集団は為す術もなく引き離される。たった1人で戦わなければならないサガンと違い、アラフィリップとクフャトコフスキは後続集団にエースを抱えている。必然、サガンは前を牽く時間が長くなり、最後のスプリントも自ら先に仕掛けざるを得なかった。

結果として、レースを巧みに支配した器用な男クフャトコフスキが、最後のスプリントを制した。圧倒的不利な立場のサガンもよく頑張ったが、出し尽くしたがゆえに、ゴール後にはふらついて上記の写真のように少しクフャトコフスキによりかかるような格好になってしまった。それだけ激戦だったのだ。

 

2週間前のストラーデ・ビアンケに続く勝利。自身にとって初となるモニュメント制覇だ。こうして、圧倒的成功を遂げることになる、クフャトコフスキの2017年シーズンが幕を開ける。

 

 

4.フィリップ・ジルベール(ロンド・ファン・フラーンデレン) 

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ルギー人としてずっと夢見続けてきたロンド・ファン・フラーンデレン。BMC時代は果たそうとして果たせなかった、果たそうとすることすら許されなかったこのレースの勝利を、全てを捨てて決断したチーム移籍の後に、見事に実現した。

とはいえ、単に運が良かったとか、調子が良かったから、というわけではない。トム・ボーネンのアタックをきっかけにして生まれた小集団の中から、トム・ボーネンが背後を牽制してくれたおかげで生まれたタイミングで飛び出して、チームメートたちがいることで安心して55kmの独走に挑むことができたのだ。

そして、このチームワークを活かす下地を作ったのは、それ以前のレースでのジルベール自身の働きのお陰だった。ドワルスドール・フラーンデレンでは、彼が逆に牽制役となって、チームメートのイヴ・ランパールトの勝利を支えた。そうやって、チームの為に自らを捧げてきたジルベールの献身が、今度はこのロンドで彼を支えてくれたのだった。

 

このレースに関する詳細は以下の記事を参照。

suzutamaki.hatenablog.com

 

  

5.アレハンドロ・バルベルデ(フレッシュ・ワロンヌ) 

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ーズン前半のバルベルデは絶好調の極みであった。2月~4月の出場したステージレースすべてで総合優勝。そして春のクラシックでもこのフレッシュ・ワロンヌリエージュ~バストーニュ~リエージュを連覇。手を付けられない強さとはまさにこのことだ。

その中でも圧倒さが際立ったのがこのフレッシュ・ワロンヌダヴィド・ゴデュのアタックに反応してペースを上げたバルベルデは、残り200mを切ったあたりからひとり抜け出して、誰もその影を踏むことすら許されなかった。

残り20mを切った段階ですでに両手を離し、ゆっくりとこの「(弓)矢=Flèche」ポーズをつくる余裕ぶり。今年の春のバルベルデの好調さを示す、象徴的なガッツポーズだ。

そんなバルベルデの余裕の4連勝を支えたのが、チームメートのカルロス・ベタンクール。

最後のユイの壁を集団で過ごせばバルベルデに勝てるわけがないとわかっているライバルチームたちの、度重なるアタックをすべて潰し切ったのがこのベタンクールである。今年はツールでも活躍を見せた彼が、来年更なる成績を叩き出すことを密かに期待している。

 

 

6.ルーカス・ペストルベルガー(ジロ・ディタリア 第1ステージ) 

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さに衝撃的な展開。誰もがお口アングリル。チームのエーススプリンター、サム・ベネットのリードアウトをするつもりが、勢い余って集団から飛び出してしまったペストルベルガー。無線で「行け! ルーカス行け!」という声を聞いて、彼は再びペダルを強く踏み始めた。

常に最強の男が勝つわけではないのが自転車ロードレース。そして、チャンスはいつ訪れるかわからない。折角のチャンスをふいにしてしまう選手だっている中で、彼は自らの力でそれをモノにした。最後の2kmを彼が追い付かれることなく逃げ切ることができたのは、TTスペシャリストとしての彼の実力ゆえであることは間違いない。

まだ25歳のオーストリア人の若手。今年の世界選手権ロードレースでは先頭集団でゴールした。国内選手権でもロード、ITTそれぞれで2位、3位だ。来年は母国オーストリアでの世界選手権。何かしらの結果を残したいところ。

 

 

 

7.シルヴァン・ディリエ(ジロ・ディタリア 第6ステージ) 

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てを出し切ったかのような表情のディリエ。そして悔しそうにハンドルを殴りつけるストゥイヴェン。辛勝者と惜敗者との落差を象徴するシーンだ。

おそらく誰もが、ストゥイヴェンの勝利を信じて疑わなかったであろう。
ブエルタ、クールネ~ブリュッセル~クールネなど、著名なレースでの勝利を既に経験しているストゥイヴェンに対し、シルヴァン・ディリエという選手は、似た名前の(ローラン・)ディディエと間違えられることも多いくらい、まだまだその名を知られていない選手に過ぎなかった。
そもそも、ストゥイヴェンはスプリント力もある。この2人が最後に残ったとき、ディリエの勝利を想像できていたものはほとんどいなかったのではないかと思う。


だが、若者が才能を爆発させるとき、得てしてその勢いは止まらずに続くものだ。
この後のディリエは、過去にキンタナやコンタドールがその名を連ねる「ルート・デュ・スュド」で、見事に総合優勝を果たすのだ。
さらには、スイスの国内選手権ロードレース部門でも優勝。来年は、スイスチャンピオンジャージを着て、AG2Rでアルデンヌ・クラシックエースとしての活躍が見られるかもしれない。

 

 

8.ピエール・ローラン(ジロ・ディタリア 第17ステージ)  

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2011年にラルプ・デュエズを制し、衝撃のデビューを果たした「フランス期待の星」は、その後期待以上の走りを見せることができないまま、苦しい立場に置かれ続けてきた。
2016年のツール・ド・フランスでは総合優勝狙いを捨てた。我武者羅に、勝利だけを狙って走り続けていた。そんな彼の思いも、雨の下りで大きくコースアウトした第19ステージで打ち砕かれる。体以上に、心に大きな傷を負ったローラン。

そんな彼の思いが、夢が、全て爆発したのがこのジロ第17ステージだった。

「勇気をもったアタックだった」と彼自身も語っていた。実際、勝負は彼が得意とする厳しい登りではなく、カナツェイに向かう緩斜面の登りでの独走だった。
後続集団にチームメートのウッズがいたことも、彼にとっては大きなプラスになっただろう。ファーストアタックから逃げ続け、一度は大集団に飲み込まれたローランの、諦めない姿勢が導いた勝利だったと言える。

 

 

9.エヴァン・ハフマン(ツアー・オブ・カリフォルニア 第4ステージ)  

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ールドツアー入りを果たしたツアー・オブ・カリフォルニアは、本来であればプロコンチネンタルクラス以上のチームしか、出場の権利がないレースとなった。それでも、長きに渡りHCクラスとしてやってきたこのレースで、常に大きな存在感を示していた2つのコンチネンタルチーム、すなわちラリー・サイクリングとジェリー・ベリーに関してのみ、特例で出場が許されたのだった。

そして、そんなラリー・サイクリングが、今年のカリフォルニアでは例年以上の活躍を見せた。まずはこの第4ステージ。本来であれば集団スプリントが予想されていたステージで、2人を逃げに送り込んだラリーがコンビネーションを駆使して逃げ切りを果たした。しかも、昨年山岳賞のエヴァン・ハフマンと、そのアシストのロブ・ブリットンの、ワンツーフィニッシュ。ワールドツアーチームの選手たちを手玉に取って、ドメスティックなチームと選手たちが底力を見せつけた。

さらには最終第7ステージでも、ハフマンが再び逃げ切り勝利を決めた。今、最も勢いのあるアメリカを象徴する成績である。

そんなラリーが、アクセオンなどとともに来年はプロコンチネンタルチームへの昇格を決めた。来年は堂々とカリフォルニアに出場し、再び旋風を巻き起こしてくれることだろう。

 

 

10.チーム・スカイ(ハンマーチェイス)  

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頭で通過する選手たちが後ろを振り返り、そして後方にいる選手だけがガッツポーズをする――普通のロードレースでは考えられないような異質のゴールシーン。それが、このハンマーシリーズの特徴だ。

来年はノルウェーで第2回が開催される予定とのこと。まだまだ粗が目立つレースではあるが、意図や狙い、仕組みは非常に魅力的なので、少しずつ洗練されながら進化を果たしていってほしい。いつか、日本でも開催されるといいなぁ。

 

 

11.ペテル・サガン(ツール・ド・スイス 第5ステージ)

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ール・ド・スイスは7年連続で出場しており、毎年ステージ勝利を重ねつつ、このステージで14勝目となった。まさにキング・オブ・スイス。そして、2012年ツールで見せた「フォレスト・ガンプ」並みのインパクトあるガッツポーズとなったのが、今年のこの「フラダンス」フィニッシュだった。

ほかにもツール第3ステージの「足を踏み外しながら勝つ」など、話題に事欠かないサガン。でもそんなことばかりしていたら、翌日の第4ステージではあえなくリタイアに・・・。最後は世界選手権ロードでしっかりと決めて、なんとか良い形でシーズンを終えられたサガン。来年こそはミラノ~サンレモやパリ~ルーベを獲りたいところ。

 

 

12.ファビオ・アル(ツール・ド・フランス 第5ステージ)

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タリアチャンピオンジャージに身を包み、アスタナの先輩ニバリに負けない栄光を目指して、この日、アルは念願のツール初勝利を成し遂げた。しかも、かつてニバリがツール総合優勝を果たした年に勝利した、ラ・プランシュ・デ・ベル・フィーユにて。

元々大きな口をさらに大きく開けて、左手は苦しそうに胸に添えて、精いっぱいのガッツポーズを繰り出した。2015年にジロ総合優勝を決めたときのそれとはまたちょっと違う、懸命に絞り出した、必死のポーズだったようにも感じた。

このあと、アルはマイヨ・ジョーヌの着用すら果たす。その意味で、今年のツールは彼史上最も成功したツールと言えるだろう。だが、最終的にはずるずると順位を下げ、そして彼はアスタナからの離脱を決断する。

 

 

13.ロマン・バルデ(ツール・ド・フランス 第12ステージ)

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2017年ツール最大の激戦となったのが、このペイラギュード山頂フィニッシュであったと思っている。小型機専用滑走路を利用した、最大勾配16%の激坂フィニッシュ。おそらくはコース製作者たちの意図通りクリス・フルームは遅れ、そしてフランスの星ロマン・バルデが3年連続のステージ勝利を飾った。

 

個人的に、その国のチームが勝利する、という瞬間は非常に好きだったりする。とくに山頂フィニッシュ。ゴール脇に詰めかけているファンの中には、やはりその国の人が多いだろう。彼らが歓喜の中、興奮して自国のスターがゴールラインに飛び込んでくるのを待ち構える姿を想像すると、こちらまで嬉しくなってくるのだ。

この日はとくにそうだったろう。アルのアタックに、バルデがしっかりと喰らいつき、やがて誰もそのペースについていけなくなり、最後にバルデが粘り切って勝利を掴んだのだ。このとき彼は、小さな投げキッスをカメラに向かって送った。テレビの前のフランス人観戦者たちも皆、この瞬間は幸福に包まれたに違いない。

第9ステージで、独走するバルデを応援していたAG2Rファンの観客たちの姿を思うと、あのときの借りを返せてよかった、としみじみ感じる。

 

 

14.ワレン・バルギル(ツール・ド・フランス 第18ステージ)

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の男も、突如としてこのツールで爆発し、その勢いのままツールで最も活躍した選手の1人に登りつめた。第13ステージの勝利だけに飽き足らず、この第18ステージまで・・・しかも、逃げ集団にアタプマやルツェンコなどの逃げ巧者がいるにも関わらず、メイン集団から飛び出して追い付き、そして追い越しての劇的な勝利だったのだ。山岳賞のために連日逃げに乗っていた選手とは思えない強さ。今年のバルギルは、間違いなく大ブレイクしていた。

そしてこの日のゴール。山岳の遠景をバックにしたフォトジェニックなガッツポーズだ。両腕をぴんと天に伸びており、栗村さんとしてもお気に入りのガッツポーズなのだろうと想像する。

来年も総合ではなくステージもしくは山岳賞を狙うというバルギル。果たして2年連続の活躍は見せられるのか・・・?

 

 

15.ヴィンツェンツォ・ニバリ(ブエルタ・ア・エスパーニャ 第3ステージ

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人曰く「シャークポーズ」。日本人に言わせると「ごっつぁん」。なお、イル・ロンバルディアでは「50勝目ポーズ」も見せてくれたが、それもなんだか「張り手」のポーズに見えて、自分の中では「少しずつ日本かぶれになりつつあるニバリ」イメージが勝手に膨らんでいる。まあ、実際にはニバリと新城はほとんど接点がないみたいだけれど。

冗談はさておき、なんだかんだでニバリはこれで今年グランツール2勝。表彰台にもどちらも乗っている。今年のニバリはかなり強かったし、観ていて面白かった。来年もこれくらい安定してくれることを期待してはいるのだが、まあ、期待し過ぎない方がちょうどいいかもしれない。

あと来年はちゃんとこのポーズ継承してくれるんだろうか。多少ダサくても続けることによって、コンタドールみたいに最後は感動のポーズになる可能性も・・・

 

 

16.クリス・フルーム(ブエルタ・ア・エスパーニャ 第9ステージ)

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ーフィネ、ツールと、例年ほどの爆発的な強さを感じられないと思われていたクリス・フルームだったが、まるでここに全てを合わせてきたかと思わせられるほど、ブエルタでは調子が良かった。そしてこの第9ステージ、クンブレ・デル・ソルでは、今シーズン遅めの初勝利。本人もさすがに感極まったのか、勢いをつけて右腕を突き出した。

フルームという選手が、いかに自転車レースでの「勝利」を好んでおり、そしてとくにブエルタを好きな選手なのか、というのがよく伝わる写真だ。ただただじっとアシストに守られながら集団の中に潜み続けていることが、決して好きなわけではないということがひしひしと伝わる。

先日のサイクルモードピナレロブースでも、この写真がポスターになっていたり、大きなボードになっていたりとフューチャーされていた。実際、フルームに赤って、結構似合うよね。

 

 

17.アルベルト・コンタドール(ブエルタ・ア・エスパーニャ 第20ステージ)

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ル・ピストレロ、プロ生活最後の「バキュン」は、出し切った表情でほんの一瞬だけ、繰り出された。険しい表情は、この山頂に至るまでの道のりの苦しさ、困難さを物語っている。
それでも最後に、彼を応援し続けていたファンたちへのプレゼントとして、彼は小さく左胸を打ち、そして右手を差し出した。
メディアはそれをしっかりと捉え、多くのファンがこの一瞬を永遠に記憶に焼き付けることとなった。

もちろん、これでコンタドールの「自転車人生」が終わるわけではない。ピストレロとして人びとを沸かせた選手としての期間は終わり、今後は、今危機を迎えつつある母国の若手育成に向けて尽力してくれることだろう。
コンタドールに憧れ、コンタドールのような選手になろうとしている数多くの若手が、きっと数年後、数十年後のロードレースシーンを盛り上げてくれるはずだ。

ありがとうコンタドール。そしてこれからも、活躍を楽しみにしている。

 

 

18.ルイスレオン・サンチェス(グラン・プレミオ・ブルーノ・ベゲッリ)   

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スタナは、直前の事故で亡くなったスカルポーニを欠番とした8名で、ジロ・ディタリアへと挑んだ。エース不在の中、エトナ火山でもジャスパー・ハンセンなどが繰り返しアタックを仕掛けるなど、なんとかスカルポーニに捧げる勝利を望み続けていたものの、なかなかそれが実らないどころか、第15ステージでは準エースたる実力を持つカンゲルトすら失った。厳しい状態が続いていた。

それでも、クイーンステージの第16ステージで、「スカルポーニ山」として特別に定められたモルティローロの山頂を先頭で通過したのが、このルイスレオン・サンチェスだった。
そしてこのサンチェスが、シーズン終盤のこのブルーノ・ベゲッリで、ついに両手を天に掲げる機会を得た。ザッポリーノの登りを含む周回コースを10周する、パンチャー向けのレイアウトの同レース。最後のザッポリーノの下りで飛び出した小集団の中から、タイミングを見計らって抜け出したサンチェスは、見事な逃げ切り勝利を決めたのだった。

この日は、別のレースでフールサン、ルツェンコも勝利しており、アスタナにとっては一際嬉しい1日となった。度重なる不幸に恵まれ、来年はアルも失うことになるアスタナだが、歴史ある名門チームとしての意地は、まだまだ消えてはいない。

 

 

19.フェルナンド・ガヴィリア(ツアー・オブ・グアンジー 第6ステージ)

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年のガヴィリアは、覚醒の年を迎えていた。
初出場のジロ・ディタリアでステージ4勝とポイント賞ジャージ。シーズン通算14勝は、チームメートのマルセル・キッテルと並んで、全選手中最大の勝利数である。

そして、シーズン終盤のこのツアー・オブ・グアンジー(広西)でも、ジロと同じ4勝を記録する。
このときのガヴィリアの表情は、もはや感情を爆発させるような勢いのあるそれではない。
いかにも自然体で、まるでそれは当たり前であるかのような表情。
わずか23歳。プロデビュー2年目の若手とは思えない風格と余裕である。

この男が、新たな時代の中心になるのは間違いない。
その隣で、このグアンジーでも1度だけガヴィリアから勝利を奪った男、フルーネヴェーヘンも息を潜めている。スプリンター戦国時代はまだまだ続く。

 

 

 

本家ガッツポーズ選手権のように、読者の方にもぜひ、投票をしていただきたいと思っております。

以下、アンケートフォームに飛んでいただき、上記19のガッツポーズ写真のうちどれが一番良かったか、あるいは上記19以外でも、「このガッツポーズが良かった!」というのがあれば教えてくれればと思います。

docs.google.com

 

十分な数の投票が集まれば、発表したいと思っています。

ご協力お願いします!