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Mitchelton-Scott 2018年シーズンチームガイド

読み:ミッチェルトン・スコット

国籍:オーストラリア

略号:MTS

創設年:2011年

使用機材:Scott (スイス)

2017年UCIチームランキング:7位

(以下記事における年齢はすべて2018年における数え年表記となります) 

 

 

 

 

2018年ロースター

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チームタイムトライアルで3本の指に入るチームだけあって、独走力の高い選手を揃えている。タイムトライアルだけでなく平坦での牽引にも貢献しており、今年のジロのタフトの牽引は凄まじかった。

近年はチャベスを中心にクライマーを強化。今年新加入したクロイツィゲルグランツールでは期待通りの活躍はしなかったものの、オーストリアで開かれたプロ・エッツタール5500で勝利するなど実力は示した。来年新加入のニエベは山岳アシストとしては超一流。来年こそ本気でグランツールを獲りにいくようだ。

そしてもちろん、ユワンを中心としたスプリントも目標の1つ。クルーゲ、メスゲッツといった強力な発射台に加え、来年はブエルタで4勝したトレンティンが加わる。グランツールでの勝利数をどこまで伸ばせるか。

 

 

 

注目選手

ヨハンエステバン・チャベス(コロンビア、28歳)

脚質:クライマー

2016年ジロ・ディタリア総合2位

2016年ブエルタ・ア・エスパーニャ総合3位

2016年イル・ロンバルディア優勝

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2015年ブエルタにて、第2ステージの山頂ゴールでいきなりの勝利。マイヨ・ロホ、山岳賞、ポイント賞、そして複合賞全てのジャージを獲得。その後も第6ステージで再び勝利し、最終的にも総合5位と実力を見せつけたコロンビア人。さらに翌年、ジロとブエルタ両方で総合表彰台に立つなど、一躍キンタナに匹敵する存在として注目を浴びた。

しかし、ついにツールに挑戦と期待された2017年シーズンは、精神面と肉体面の両方の不調に悩まされ、失墜。悔しい1年となった。

だが、実力が十分に発揮できれば、すぐにでもツール表彰台に立てるだけの素質はあると感じている。だから来年も、懲りずにツールを狙ってほしい。ニエベの補強を見てもわかるように、チームとしても彼に期待する部分は大きいはずだ。

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今年のブエルタは前半までは良い走りをすることができていたチャベス。だが最後には失速し、総合11位で終えた。

 

 

ケレブ・ユワン(オーストラリア、24歳)

脚質:スプリンター

 

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今年はダウンアンダーで4勝。クリテリウム含めれば5勝。だがそれだけなら、いつもの「オーストラリアだけで強い選手」というイメージで終わった。

しかし今年はそれ以外でも十分に強かった。アブダビ・ツアーでは、逸り過ぎてのガッツポーズによって勝利を逃したものの、雨の中のリベンジスプリントでキッテルやカヴェンディッシュを下した。ジロでは1勝しかできなかったものの、その後のツアー・オブ・ブリテンでは、ガヴィリアを含むライバルたちを圧倒し、3勝を叩き出した。

ジロ4勝とポイント賞を獲得したガヴィリアに比べると、まだまだ一段劣る結果のようにも思える。が、まだ来年で24歳。焦る必要はない。サガンのような走りを得意とするガヴィリアに対し、強力なリードアウトの力を借りながらピュアスプリントにおいて絶対の強さを目指すのもいい。その意味で、ジロやブエルタよりも、ツールでこそ、彼の走りには合っているのかもしれない。

だから、来年はぜひ、ツールにチャレンジしてほしい。キッテルやサガンカヴェンディッシュといった一流スプリンターたちと、最高の舞台でどこまで張り合えるか、ぜひ見てみたい。

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今年のダウンアンダーで圧倒的な力を見せつけたユワン。来年はグランツールで、その実力を示してもらいたい。

 

 

マッテオ・トレンティン(イタリア、29歳)

脚質:スプリンター

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ブエルタで頭一つ飛び抜けた力を見せつけて4勝を記録した。これにてクイックステップ・フロアーズは、ジロ・ツール・ブエルタそれぞれで、別のスプリンターによって4勝以上ずつを記録したことになる。

本来、ピュアスプリントというよりも、混沌とした状況の中でのマッチスプリントが得意、というタイプだった。2015年・2017年と勝利したパリ~トゥールはいずれも終盤で抜け出した小集団でのスプリント勝利。ピュアスプリントでは心もとない部分があるため、ツールなどでは基本的に、ユワンの発射台の役目を果たすことになるだろうとは思っている。

が、本人もイタリア人ということもあって、これまでは果たせなかったジロ・ディタリアでのエーススプリンターというのも望んでいるかもしれない。ユワンはツールと、場合によってはカリフォルニアに集中し、ジロはトレンティンで・・・というのも、今年の勢いがあれば可能かもしれない。

クールネ~ブリュッセル~クールネやオンループ・ヘット・ニウスブラッドなど混戦になりやすい北のクラシックでの勝利も期待したいところ。

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マドリードでも期待された通りの勝利を成し遂げた。残念ながらポイント賞ジャージは持ち帰ることはできなかったが、キャリア最大の結果を出せたのは間違いないだろう。

 

 

 

その他注目選手 

スヴェイン・タフト(カナダ、41歳)

脚質:TTスペシャリスト

カナダ国内選手権ITT部門でも4勝、一度は世界選手権ITTでも2位にまで登りつめた。オリカのチームTTの強さの一翼を担う人物でもあり、彼の誕生日と重なった2014年のジロ初日TTTでは先頭でゴールし、マリア・ローザ着用の権利を頂いた。チームの中の良さを象徴する出来事だ。

そんな彼も来年で41歳。プロトンの中でも最年長選手筆頭だろう。それなのに今年のジロではひたすら牽引し続ける姿が映し出され、来年もまだまだ、チームにとってはなくてはならない存在であり続けてくれるはずだ。

 

ミケル・ニエベ(スペイン、34歳)

脚質:TTスペシャリスト

エウスカルテル・エウスカディ。2014年からチーム・スカイに所属し、フルームの出場するグランツールのほとんど全てに出場し、強力にアシストし続けた。だが昨年のジロで山岳賞を獲るなど、少しずつ自立の気持ちが芽生えてきたか。ブエルタでは最高で総合8位。来年は、チャベスやイェーツ兄弟のアシストを担いつつ、ジロかブエルタでエースを望む可能性もありうる。

とはいえ基本は山岳アシスト。クロイツィゲルと共に、チャベスのツール総合表彰台を支える姿を見せてほしい。

 

ルーカス・ハミルトン(オーストラリア、22歳)

脚質:TTスペシャリスト

今年はオリカ・スコットの育成チームであるミッチェルトン・スコットに所属。オセアニア大陸選手権で優勝し、U23リエージュ~バストーニュ~リエージュで3位、そしてU23版ジロ・ディタリアで総合2位、ラヴニールで総合4位など、有望な若手としての登竜門をしっかりと登ってのワールドツアー昇格である。

若手を育成する術に長けているオリカだけに、2~3年後の活躍が今から楽しみだ。まずは来年、上位クラスのレースでどこまでの走りを見せられるか。

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2018年ツール 出場メンバー案

1.ヨハンエステバン・チャベス(総合エース)

2.カレブ・ユワン(エーススプリンター)

3.マシュー・ヘイマン(石畳要員&平坦アシスト)

4.クリストファー・ユールイェンセン(平坦山岳アシスト&石畳要員)

5.ロジャー・クルーゲ(発射台)

6.ロマン・クロイツィゲル(山岳アシスト)

7.ミケル・ニエベ(山岳アシスト)

8.マッテオ・トレンティン(発射台)

 

チャベスとユワンの2大エース体制を予想・・・イェーツ兄弟は、まずはジロとブエルタで成績を出そう、てな具合に・・・(新人賞期間は終わったしね)。

石畳もあり平坦アシストの存在は重要だが、上に挙げたヘイマン・ユールイェンセン以外の候補としてタフト、バウアー、ダーブリッジ、ヘイグなどの候補は大量にいる。その中でも石畳適性と山岳でも牽引できる、という特性を考えると上記2名にしたが、もちろんその部分は状況次第だろう。

発射台に関しても、実績からメスゲッツではなくクルーゲを選択。ただここも、平坦アシストと山岳アシストをある程度兼用できる選手が優先されるかもしれない。トレンティンは問題ないが、それ以外の候補としてはインピーやアルバジーニなどがいる。

 

 

 

総評

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選手の放出がありながらも、バウアーの加入もあり、チームTTに関しては引き続き強力。グランツールも更なる強化があり、期待はできるだろう。

ただし、サイモン・ゲランスの放出もあり、アルデンヌ・クラシックで飛び抜けた選手は想像しづらい。クロイツィゲルの頑張り次第か。北のクラシックもクークレールの放出は手痛いところ。ユールイェンセンが頑張れるか?

 

 

 

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